
この記事のポイント
- スペイン最高裁が非正規移民の特別在留合法化について手続き停止の可能性に道を開いた。
- 争点は措置がEU法と抵触するかどうかで、欧州司法裁判所への照会の道にも言及された。
- 合法化が全面否定されたわけではなく、政府は影響を抑えるため対応を急いでいる。
最高裁が「合法化」手続きの停止に道を開く
スペインの最高裁判所(El Supremo=スペインの司法における最上級審)が、非正規に滞在する移民を対象とした「特別在留合法化(regularización extraordinaria)」の措置について、手続きを一時停止する可能性に道を開いたと現地各紙が報じています。理由は、この措置がEU(欧州連合)法と抵触するのではないかという疑いが残るためです。
「特別在留合法化」とは、一定の条件を満たして国内に滞在する非正規移民に対し、まとめて滞在・就労の資格を認める例外的な制度を指します。スペインではこれまでも複数回、大規模な合法化が行われてきましたが、今回は移民の権利団体などが後押しする形で導入が進められてきた経緯があります。
争点はEU法との整合性
報道によると、最高裁の一部の裁判官が、この「大規模」な合法化には慎重な検討を要する複数の論点があると指摘し、EUの司法判断を仰ぐ道(欧州司法裁判所への照会)に触れたとされています。移民の受け入れや在留資格の付与はEU全体で共通ルールが設けられている分野が多く、加盟国が独自に大規模な措置を取る場合、EU法との整合性がしばしば問題になります。
ただし、現時点で合法化そのものが全面的に否定されたわけではなく、あくまで「抵触の疑いがあるかどうか」を見極める段階とみられます。個別の争点や今後の判断の行方については、断定できない部分が多い点に留意が必要です。
政府は影響の最小化を急ぐ
司法の判断によって手続きが止まるリスクがあるとして、スペイン政府側は影響を最小限に抑えるべく対応を急いでいると伝えられています。移民は労働力の担い手としても社会的な論点としても関心が高く、司法・行政・世論が絡む敏感なテーマです。今後、最高裁がどのような判断を示すかが焦点となります。
※本記事はスペインの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Cadena SER




