
この記事のポイント
- イタリアの公共放送RAIを監視する国会の監督委員会が、委員の相次ぐ辞任で機能停止に陥った。
- 委員長フロリディア氏がまず辞任し、その後ほかの委員も後を追う形で辞任したと現地報道が伝えた。
- 背景にはRAIの会長人事をめぐる与野党の対立があり、選出手続きが行き詰まっていたとされる。
イタリアの公共放送「RAI(イタリア放送協会)」の運営を監視する国会の「RAI監督委員会(Commissione di Vigilanza Rai)」が、委員の相次ぐ辞任によって事実上の機能停止に陥りました。委員長を務めていたバルバラ・フロリディア氏がまず辞意を表明し、その後ほかの委員も後を追う形で辞任したと、複数の現地報道が伝えています。
RAI監督委員会とは
RAI監督委員会は、イタリアの上下両院の議員で構成される合同の委員会で、公共放送RAIの公平性や独立性、放送内容などを監視する役割を担っています。日本でいえば、公共放送のあり方を国会がチェックする仕組みに近いものですが、委員会自体が政治的な力関係の影響を強く受けやすいという特徴があります。RAIは「Radiotelevisione italiana」の略で、イタリア最大の公共放送事業者です。
人事をめぐる与野党の対立
今回の混乱の背景には、RAIの新たな会長(社長)人事をめぐる与野党の対立があるとされます。現地報道によれば、この重要ポストの選出には委員会内で高いハードル(一定以上の賛成)が必要とされ、与党側と野党側の折り合いがつかず、手続きが行き詰まっていたとみられます。
野党第一党「五つ星運動」を率いるジュゼッペ・コンテ元首相は、みずからが推していた候補(委員会の議論に関わる立場)から身を引く意向を示したと報じられました。一方で、与党の中道右派側は「より対立を生まない人物を選ぼう」と主張していると伝えられています。野党側からは「(与党は)内部で分裂し、制度を軽んじている」といった批判も出ているとされます。ただし、各会派の具体的な発言や意図については報道により濃淡があり、断定はできません。
今後の焦点
委員長を含む委員の一斉辞任は、監督委員会という制度そのものの運営に空白を生みかねない異例の事態です。公共放送の中立性と、それを監視する国会機能のあり方が改めて問われることになりそうです。委員会の再構成や後任人事がどのように進むかが、当面の焦点となります。
※本記事はイタリアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:RaiNews




