
この記事のポイント
- ドイツCDUの有力政治家シュパーン氏が、批判を受けて連邦議会予算委員会の委員ポストを返上する見通しとなった。
- 同氏は元連邦保健相で、コロナ禍でのマスク調達をめぐって議会やメディアから繰り返し検証を受けてきた。
- サルデーニャ島への旅行が会派内の不満を招いたとの報道もあり、党内での立場がどうなるかが注目される。
有力政治家が委員ポストを手放す
ドイツで、保守政党キリスト教民主同盟(CDU)の有力政治家イェンス・シュパーン氏が、連邦議会(日本の衆議院に相当する下院)の予算委員会の委員ポストを返上する見通しだと報じられています。公共放送ARDのニュースサイト「tagesschau.de」や週刊紙ツァイト、公共ラジオのドイチュラントフンクなど複数の主要メディアが伝えており、いずれも批判を受けた判断だとしています。保守系日刊紙ヴェルトは「通常の仕事はほとんどできない」という趣旨の発言を見出しに掲げており、委員を続けても周囲の反発で仕事にならないという認識が背景にあるとみられます。
シュパーン氏とはどんな人物か
シュパーン氏は、メルケル政権で連邦保健相を務め、新型コロナウイルス対策の陣頭指揮を執った人物です。その後もCDUの中心人物の一人として、連邦議会の会派運営などで重要な役割を担ってきました。一方で保健相時代のマスク調達をめぐっては、高値での契約や手続きの妥当性が問われ、議会やメディアで繰り返し検証の対象となってきました。
予算委員会の重み
予算委員会は連邦政府の予算案を細かく審査し、各省庁への支出に目を光らせる委員会です。ドイツ議会では特に影響力の大きい委員会の一つとされ、政府の支出の是非を問う立場にあります。そのため、過去の政府支出をめぐって疑問を持たれている政治家が委員を務めることに対しては、利益相反ではないかといった批判が出やすい面があります。
サルデーニャ旅行が火種に
ニュース専門局n-tvは、シュパーン氏のイタリア・サルデーニャ島への旅行が会派内で大きな不満を招いていると報じています。旅行の具体的な内容や、それが委員ポスト返上にどの程度直接つながったのかについては、現時点で入手できる情報からは断定できません。ただ、複数の報道を合わせると、以前からくすぶっていた批判に今回の件が重なり、党内の空気が厳しくなったことが判断を後押しした可能性があります。
今後の焦点
今回の返上は、シュパーン氏の政治的な影響力にどのような影響を与えるのかが注目されます。一般論として、ドイツでは政治家の説明責任や倫理に対する世論の目が厳しく、党内の信頼を失うことは要職の維持に大きく響きます。後任の委員が誰になるのか、また会派内での同氏の立場がどうなるのかが、今後の焦点となりそうです。
※本記事はドイツの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:tagesschau.de




