
この記事のポイント
- カタルーニャ独立派Juntsが、サンチェス政権の住宅関連2政令を議会で否決する方針を固めた。
- 少数与党の政府はJuntsの7議席に依存しており、否決されれば政令は30日の期限で失効する。
- 家賃高騰で街頭デモが続く中、住宅対策の遅れと政権運営の不安定化が懸念されている。
独立派政党が「住宅政令」を否決へ
スペインで、カタルーニャ独立派の政党「Junts(ジュンツ・パル・カタルーニャ)」が、サンチェス政権が打ち出した住宅関連の2つの政令(王令法)を議会で否決する方針を固めたと、現地の主要紙が一斉に報じました。党の実質的な指導者であるカルラス・プチデモン氏の判断が決め手になったとされ、政府に対しては「内容を作り直して出し直せ」と求めています。
なぜJuntsの7議席が鍵になるのか
サンチェス首相率いる社会労働党(PSOE)は少数与党で、法案を通すにはカタルーニャやバスクの地域政党の協力が欠かせません。Juntsは下院350議席のうち7議席しか持ちませんが、与党連合と右派野党(国民党・Vox)が拮抗しているため、同党の賛否がそのまま可否を左右する「キャスティングボート」を握っています。Juntsは2025年秋にサンチェス政権との協力関係の解消を宣言しており、今回の否決方針もその延長線上にあると見られます。
スペインでは政府が緊急性を理由に出す「王令法」は、公布後30日以内に下院の承認を得なければ失効します。そのため、Juntsが反対に回ると住宅政令は事実上「立ち往生」することになります。ガリシア紙ラ・ボスは「政府は選択肢を失った」と伝え、エル・ムンド紙はJunts側の「ひどい内容で失敗作だ」という厳しい評価を紹介しています。
背景にある深刻な住宅危機
スペインではここ数年、都市部を中心に家賃の高騰が続き、若者や中間層が住まいを確保できない「住宅危機」が最大の社会問題の一つになっています。各都市では大規模なデモが繰り返されており、エル・パイス紙は「街頭の訴えにもかかわらず」Juntsが否決を選んだと批判的なトーンで報じました。政府は今回の2政令で家賃対策や住宅供給の促進などを目指していたとされますが、Juntsは中央政府による規制が自治州(カタルーニャ)の権限を侵すとして一貫して警戒姿勢を取ってきました。具体的な反対理由の詳細は報道によって説明が異なり、現時点では確定的に述べることはできません。
今後の見通し
サンチェス政権は今後、政令を修正して再提出するか、通常の法案として改めて審議にかけるかの選択を迫られます。いずれにせよJuntsとの再交渉が避けられず、住宅対策の実施が遅れる可能性が高まっています。独立派政党との関係悪化は予算など他の重要案件にも影響しかねず、政権運営の不安定さを改めて浮き彫りにした形です。
※本記事はスペインの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:El Confidencial




