
この記事のポイント
- トリリャネス元上院議員が、中国系企業や麻薬組織の資金がドゥテルテ家に流れたと告発した。
- サラ副大統領の夫が中国系企業から約3億1900万ペソを受け取ったとも主張したが、真偽は確認されていない。
- ドゥテルテ陣営は「悪意ある捏造」と全面否定し、2028年大統領選をにらんだ対立が激しくなっている。
フィリピンで、ドゥテルテ前大統領の一家に不正な資金が流れたとする告発が出ました。告発したのは、長年ドゥテルテ家を批判してきたアントニオ・トリリャネス元上院議員です。これに対しドゥテルテ陣営は「悪意ある捏造だ」と強く反論しており、両者の対立がまた激しくなっています。
告発の中身
現地の複数のメディアによると、トリリャネス氏は「中国からの資金や、麻薬組織の大物とされる人物の資金がドゥテルテ家に流れた」と主張しています。さらに、サラ・ドゥテルテ副大統領の夫が、中国とつながりのある企業から約3億1900万ペソ(日本円で約8億円前後。為替によって変わります)を受け取ったとも訴えました。ただし、これはトリリャネス氏の主張です。報道の時点で、公的機関が事実と認めたものではありません。
ドゥテルテ陣営の反論
ドゥテルテ陣営は、一連の告発を「悪意ある捏造」と呼んで全面的に否定しました。さらに、トリリャネス氏がサラ副大統領の弾劾裁判への関与から離れたとされる時期に合わせ、「追い詰められた者の、使い古された話だ」とも批判しています。陣営は、告発には裏付けがなく、政治的な攻撃にすぎないという立場です。
背景:長く続く因縁
トリリャネス氏は元海軍将校で、上院議員を務めた人物です。ドゥテルテ政権(2016〜2022年)のころから、「麻薬戦争」と呼ばれた強硬な麻薬取り締まりや、ドゥテルテ家の資産をめぐる疑惑を追及してきました。政権側からは、過去の恩赦の取り消しなどで逆に追い詰められたこともあり、両者には長年の因縁があります。
一方、ドゥテルテ前大統領の長女であるサラ副大統領は、マルコス大統領と組んで2022年の選挙に勝ちました。しかしその後、両家は決裂しました。サラ氏は公金の使い方などをめぐって下院で弾劾訴追を受け、大きな政治問題になっています。フィリピンの弾劾では、下院が訴追し、上院が裁判を開きます。
今後の焦点
今回の告発は、2028年の次期大統領選でサラ氏が有力候補とみられていることもあり、政治的に大きな意味を持つと受け止められています。今後の焦点は、告発を裏付ける証拠が示されるのか、そして捜査機関や議会が調査に動くのかです。ただ、フィリピン政界では、このような暴露と反論の応酬がよく起きます。事実がどうなのかは、今後の公的な調査を待つ必要があります。
※本記事はフィリピンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:newsinfo.inquirer.net




