
この記事のポイント
- キーウのドニプロ川に架かる北橋にロシアのドローンが再び命中し、路面が壊れて負傷者も出た。
- キーウは川で右岸と左岸に分かれており、橋が使えなくなると通勤や物資輸送が大きく滞るおそれがある。
- 米紙は橋への攻撃が「物流の悪夢」を招きかねないと分析し、交通インフラの防衛が新たな課題になっている。
朝の通勤時間帯に北橋へドローンが命中
ウクライナの首都キーウで、ドニプロ川に架かる「北橋(Північний міст)」がロシア軍のドローン攻撃を受けました。現地メディアによると、北橋がドローンの被害を受けるのはこれで2回目で、今回の攻撃では車道の路面が壊れました。攻撃は朝の時間帯に起き、キーウ市当局は負傷者が出たと発表しています。ただし、現地報道の見出しからは正確な人数や被害の詳細は確認できていません。同じ日、市内ではほかにも爆発が相次いだと伝えられています。
北橋とはどんな橋か
キーウは市の中心をドニプロ川が南北に流れ、市街地が「右岸」と「左岸」に分かれています。官庁街や歴史地区の多くは右岸にあり、左岸には大規模な住宅地が広がっているため、毎日多くの市民が川を渡って通勤しています。北橋は市の北部で両岸を結ぶ主要な道路橋の一つです。かつては「モスクワ橋」と呼ばれていましたが、2014年以降のロシアとの対立を受けて改名されました。
「物流の悪夢」への懸念
ウクライナのメディアは、米紙ニューヨーク・タイムズの分析として、ロシアによる橋への攻撃が続けばキーウで「物流の悪夢」が起きかねないと伝えています。キーウで川を渡る手段は、道路橋と鉄道橋、地下鉄の橋などに限られます。橋が一つ通れなくなるだけで、ほかの橋に車が集中し、通勤や物資の輸送、救急車の移動まで大きく滞るおそれがあります。
2022年の全面侵攻以降、ロシアは発電所や送電網などのエネルギー施設を繰り返し攻撃してきました。そこに交通インフラへの攻撃も加われば、軍事目標そのものより、首都の市民生活や経済活動に圧力をかける狙いがあるのではないかとの見方も出ています。ただし、これはあくまで報道や専門家の分析にもとづく推測で、ロシア側の意図は公式には明らかになっていません。
今後の焦点
注目されるのは、被害を受けた路面をどれだけ早く直せるか、そして防空網で橋をどこまで守れるかです。大きな橋は構造が頑丈で、ドローン1機ですぐ崩れることは考えにくいとされます。それでも、攻撃が繰り返されれば補修の負担は増え、通行規制が長引くおそれもあります。冬が近づき、エネルギー施設への攻撃が強まりやすい時期に入るなか、首都の交通網をどう守るかがウクライナにとって新たな課題になっています。
※本記事はウクライナの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Korrespondent.net




