
この記事のポイント
- スペインで住宅危機に抗議するデモが行われ、首都マドリードなどで数万人が街頭に出た。
- 大都市の家賃高騰や民泊の増加で、若い世代を中心に住まいを確保しにくい状況が背景にある。
- 参加者からはゼネストを求める声も上がり、選挙をめぐる不透明感の中で住宅政策が注目されている。
マドリードなどで数万人がデモ
スペインで、住宅危機に抗議する大規模なデモが行われました。現地の複数のメディアによると、首都マドリードをはじめ各地で数万人規模の人々が街頭に出て、手の届く住まいを求めて声を上げました。英BBCも写真特集で伝えるなど、国外からも注目を集めています。
参加者からは、労働者が一斉に仕事を止める「ゼネラル・ストライキ(ゼネスト)」を求める声も上がりました。現地紙エル・ムンドは、参加者の「これはイデオロギーの問題ではなく、まっとうな暮らしの問題だ」という趣旨の言葉を見出しに掲げ、立場の違いを越えた訴えであることを伝えています。
背景にある家賃高騰
スペインでは近年、マドリードやバルセロナなどの大都市を中心に家賃や住宅価格の上昇が続き、とくに若い世代が実家を出て自立するのが難しくなっていると指摘されてきました。給与の伸びが住居費の上昇に追いついていないことが、不満の大きな要因とされています。
あわせてよく指摘されるのが、観光客向けの民泊の増加です。スペインは世界有数の観光大国で、都心の住宅が旅行者向けの短期貸しに回ることで、住民向けの賃貸物件が減っているとの批判があります。このほか、投資目的の住宅購入や公営住宅の不足も原因として挙げられています。
スペインでは2023年に家賃の抑制などを盛り込んだ住宅法が施行されましたが、効果をめぐっては評価が分かれています。各地では借り手の団体などがデモを重ねてきており、今回の抗議もそうした流れの延長線上にあるとみられます。
選挙をめぐる不透明感の中で
現地紙エル・パイスは、今回のデモが選挙をめぐる先行き不透明感の中で行われたと伝えています。住宅問題は有権者の暮らしに直結するため、各政党がどのような対策を打ち出すかが今後の争点のひとつになる可能性があります。ただし、デモが具体的な政策にどの程度つながるかは現時点ではわかりません。
家賃の高騰や観光客の急増による住環境の変化は、スペインだけでなく欧州の多くの都市に共通する課題です。日本でも都市部の住居費やインバウンド観光と住民生活の両立が話題になることがあり、スペインの動きは参考になる事例といえそうです。
※本記事はスペインの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:BBC




