
この記事のポイント
- フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾裁判で、検察側が直前に証人を変え、審理が一時中断した。
- 弁護側は準備ができず不公正だと抗議した。最終的に国税当局(BIR)の証人が再び最初の証人に戻された。
- 背景には、マルコス大統領とドゥテルテ家の対立がある。手続きをめぐる攻防も主導権争いの一部になっている。
直前の証人変更で弾劾法廷が混乱
フィリピンで進んでいるサラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾裁判で、検察側が証人の出廷順を直前に変えたことに弁護側が反発し、審理が一時中断しました。現地の複数のメディアによると、その後の調整で、国税当局にあたる内国歳入庁(BIR)の証人が再び最初の証人に戻されました。
フィリピンの弾劾制度はアメリカの制度を手本にしています。下院が訴追を決め、上院が弾劾法廷として裁判を行います。下院議員が検察役を務め、上院議員が裁判官として有罪か無罪かを判断します。副大統領が有罪となれば罷免され、公職に就く資格を失う可能性もあります。
弁護側「合わせるべきは検察側だ」
報道によると、検察側は当初の予定とは別の証人を先に出そうとしました。これに対し弁護側は、直前の変更では反対尋問の準備ができず、公正な手続きにならないと抗議しました。弁護側は「証人の出し方の都合に合わせるべきは検察側で、被告側ではない」という立場をはっきり示したと伝えられています。
法廷はこの議論を受けて審理をいったん止めました。最終的に、もとの予定どおりBIRの証人を最初に呼ぶ形に落ち着いたとみられます。BIRの証人が何を証言するのかは、今回の報道からは詳しく分かりません。税務当局の職員が呼ばれていることから、資産や資金の流れに関わる論点を立証する狙いがあるとも考えられますが、これは推測です。
背景にある政治対立
サラ・ドゥテルテ氏は、強硬な麻薬対策で知られるロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の長女です。2022年の選挙では、フェルディナンド・マルコス大統領と組んで当選しました。しかしその後、両家の関係は大きく悪化し、副大統領の機密費の使い方などをめぐって下院で追及が続いてきました。今回の弾劾裁判も、この政治対立の延長線上にあると広く受け止められています。
弾劾裁判は法的な手続きであると同時に、政治的な意味合いも強いものです。証人の順番という一見細かな手続きの争いも、双方が主導権を取り合う場になっています。次の大統領選をにらんだ動きとも関わるため、今後の証言の中身と上院議員の判断が注目されます。
※本記事はフィリピンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Cebu Daily News




