
この記事のポイント
- ロシア東シベリアのイルクーツク州でペストの発生が伝えられ、ウクライナの各メディアが大きく報じている。
- トランプ米大統領は生物兵器説を問われて「ロシアは多くを語らない」と述べたが、生物兵器かどうかの判断ははっきりしない。
- ウクライナ外務省も、国内に広がるおそれについて評価を示した。米国はシベリア発の航空便を確認していると報じられている。
トランプ氏、生物兵器説を問われる
ロシア東シベリアのイルクーツク州でペストが発生したと伝えられ、ウクライナのメディアが相次いで報じています。そうしたなか、ウクライナのニュースサイト「24 Kanal」によると、トランプ米大統領は記者から「ロシアのペストは生物兵器だと思うか」と問われ、「ロシアは多くを語らない」と答えました。ロシア側からの情報が少ないことを指摘した発言とみられます。ただし、手元にある報道の見出しや要約からは、トランプ氏が生物兵器説をどこまで認めたのか、または否定したのかは確認できません。
イルクーツク州とペストの背景
イルクーツク州はバイカル湖の周辺に広がる地域で、モンゴルとも近い位置にあります。中央アジアからシベリア、モンゴルにかけての草原や山地には、野生のげっ歯類の間でペスト菌が受け継がれる「自然の流行地」があり、今もときどき人への感染が起きます。
ペストはノミや感染した動物を通じてうつる細菌の病気です。なかでも肺に広がる「肺ペスト」は、せきなどの飛まつで人から人へうつり、治療が遅れると重症化しやすいとされます。一方で、早い段階なら抗生物質で治療できるため、中世の大流行と同じような事態になるとは一般に考えられていません。
なぜ「生物兵器」の疑いが出るのか
旧ソ連は冷戦期に、生物兵器を極秘で研究・開発していたことが後に明らかになっています。ウクライナへの侵攻が続くなか、ロシアの感染症に関する発表に、ウクライナや欧米では強い不信感があります。今回の質問もそうした空気のなかで出たものとみられます。ただし、今回の発生が人為的なものだと示す具体的な証拠は、報道からは確認されていません。自然の流行地で起きた発生である可能性も十分にあり、決めつけには注意が必要です。
ウクライナと国際社会の反応
ウクライナ外務省も、ロシアからウクライナへペストが広がるおそれについて評価を示したと報じられています。また、米国がシベリア発の航空便について確認を進めているとの報道もあり、国境を越えて広がることへの警戒がうかがえます。戦争で人や物の行き来が限られているとはいえ、ウクライナにとって隣国の感染症の情報は身近な関心事です。ロシア側がどこまで情報を出すのかが、今後の焦点の一つになりそうです。
※本記事はウクライナの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:24 Канал




