
この記事のポイント
- 韓国の大統領府が最高裁判事候補の推薦のやり直しを求め、曺喜大大法院長が拒み続けて空席が埋まらない。
- 韓国では大法院長が候補を推薦し、国会の同意を得て大統領が任命するため、両者が対立すると手続きが止まる。
- 首相は大法院長に辞任を迫り、野党は「議会による内乱」と反発。司法と行政の対立は長引く見通しだ。
推薦のやり直しを求める大統領府、応じない大法院長
韓国で、最高裁にあたる「大法院」の判事(大法官)の空席が埋まらない状態が続いている。韓国の大統領府である青瓦台(チョンワデ)が、大法院のトップである曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長に候補の推薦のやり直し(再提請)を求め、曺氏がこれを拒む。このやり取りが繰り返されており、現地メディアは「出口が見えない」と報じている。
韓国の最高裁判事はどう選ばれるのか
韓国の憲法では、大法官は大法院長が候補を大統領に推薦(提請)し、国会の同意を得て大統領が任命する。日本では最高裁判事を内閣が指名・任命するが、韓国では司法のトップが候補を出す役割を持つ点が大きく違う。大統領と大法院長の考えが合わなければ、手続きが止まってしまう仕組みだ。
報道によると、曺氏は「推薦をした時点で自分の義務は果たした」という立場で、長期戦も辞さない構えを見せている。一方、金民錫(キム・ミンソク)首相は「再推薦に対応できないのなら辞めるべきだ」と述べ、強い言葉で辞任を迫った。
与野党の対立にも広がる
この問題は、与野党の争いにも広がっている。最大野党「国民の力」の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は、国会で大法院長に証人としての宣誓を迫り、その場から出さなかったとして「議会による内乱だ」と与党を非難した。保守系のベテラン政治家、洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏も「世の中がめちゃくちゃになっている」と述べ、大法院長を追い詰めず尊重するよう求めた。
与党側は、大法院長が推薦の権限を使って任命を妨げていると見ているようだ。野党側は、政権が司法に圧力をかけていると反発しており、双方の主張は真っ向からぶつかっている。
背景と今後の見通し
韓国では近年、司法改革や裁判所の中立性をめぐって、政権と司法の間で緊張が続いてきた。大法官の空席が長く続けば、大法院の審理の進み具合や判決を出す体制に影響が出るおそれがあると、一般には指摘されている。
憲法には、推薦をやり直させる手続きや期限がはっきり書かれていない。そのため、どちらかが歩み寄らない限り、手詰まりは続く可能性が高い。大法院長の任期や政治の動きによっては、さらに長引くことも考えられる。司法の独立と、民主的に選ばれた政権の意向をどう両立させるのか。韓国の三権分立のあり方が問われている。
※本記事は韓国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:한겨레




