
この記事のポイント
- ロシア最大手の銀行ズベルが、サラトフ州にある自社データセンターがウクライナ軍の攻撃を受けたと認めた。
- 被害の規模や、決済などの銀行サービスへの影響については、今のところ詳しく伝えられていない。
- これまでの製油所などへの攻撃に加え、金融のITインフラも被害を受けうることを示した例とみられる。
銀行自らが攻撃の事実を認める
ロシア最大手の銀行「ズベル(ズベルバンク)」は、ロシア南西部のサラトフ州にある自社のデータセンター(ЦОД=データ処理センター)が、ウクライナ軍(ロシア語の略称でВСУ)の攻撃を受けたと認めました。経済紙ヴェドモスチやインタファクス通信など、ロシアの複数のメディアが伝えています。報道の中には、攻撃を受けたデータセンターを複数形で書いたものもありますが、被害の規模や、銀行サービスへの影響があったかどうかなど、詳しいことは今のところ伝わっていません。
ズベルとサラトフ州とは
ズベルは、旧ソ連時代の貯蓄銀行の流れをくむ国営系の銀行で、ロシアで最も大きな銀行です。年金や給与の受け取り、カード決済、スマートフォンのアプリなどを通じて、多くの国民の暮らしを支えています。近年は社名を「ズベル」とし、AIやクラウドといったIT事業にも力を入れており、データセンターはその土台となる重要な施設です。
サラトフ州は、ボルガ川の中流域にある州で、モスクワから南東へ約800キロのところにあります。ウクライナとの国境からは数百キロ離れていますが、ここ最近は無人機による攻撃がたびたび伝えられている地域の一つです。
攻撃対象が広がっているのか
ロシアとウクライナの戦争では、ウクライナ側による無人機での攻撃が、ロシア国内の製油所や燃料施設、軍事関連の施設などを狙う形で続いてきました。今回の件は、銀行のデータセンターという金融・通信のインフラも被害を受けうることを示した例といえます。
ただし、今回の施設がもともと狙われたのか、別の目標をねらった攻撃に巻き込まれたのかは、現時点の報道からは分かりません。ウクライナ側の公式な見解も、元の報道では確認できていません。
今後の焦点
データセンターは、決済やオンラインのサービスを止めないために、ふつうは別の拠点にデータの控えを置くなどの備えをしています。そのため、一つの施設が被害を受けても、すぐに大規模な障害につながるとは限らないと一般には考えられています。今後は、ズベルが被害の状況やサービスへの影響をどこまで明らかにするのか、またロシア国内の重要なIT施設の守りがどう強められるのかが注目されます。
※本記事はロシアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Ведомости




