
この記事のポイント
- フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾裁判で、訴追側が弾劾条項のうち3つを取り下げたと報じられた。
- 訴追側は、副大統領側が裁判を引き延ばそうとしていると批判し、争点を絞って審理を早めるねらいがあるとみられる。
- サラ氏は2028年大統領選の有力候補で、上院の3分の2が罷免に賛成するかどうかが政局を左右する。
弾劾条項の一部を取り下げ
フィリピンで、サラ・ドゥテルテ副大統領に対する弾劾裁判が新たな局面を迎えています。現地の大手紙インクワイアラーなどによると、訴追側は弾劾条項(罷免を求める理由を項目ごとに並べたもの)のうち3つを取り下げました。弁護側が審理を長引かせようとしているとみられるなかでの判断です。
訴追側は「副大統領側が裁判を遅らせようとしていることは分かっていた」と述べ、争点を絞って審理を早める考えを示したと伝えられています。一方、副大統領側は自分たちが政治的に狙われていると訴えてきました。これに対し、別の現地紙フィルスターは、副大統領に「被害者を演じるのはやめるべきだ」という批判が出ていると報じています。
フィリピンの弾劾制度とは
フィリピンでは、大統領や副大統領などの高官を罷免するための弾劾制度が憲法で定められています。下院が弾劾を決めて訴追し、上院が「弾劾裁判所」となって審理します。有罪にして罷免するには、上院議員24人の3分の2以上の賛成が必要です。有罪になれば、公職に就く資格を失う可能性もあります。
サラ・ドゥテルテ氏は、強硬な麻薬対策で知られるロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の長女です。2022年の選挙ではフェルディナンド・マルコス大統領と組んで当選しましたが、その後両陣営は激しく対立しました。ドゥテルテ家とマルコス家の権力争いが、今回の弾劾の背景にあると広く見られています。
取り下げは誰に有利か
ニュースサイトのラップラーは「3条項の取り下げで得をするのは誰か」という見出しで、この判断を検証しています。一般論として、条項を減らせば審理が短くなり、判決までの時間を縮められます。一方で、罷免の根拠として示す疑惑が少なくなるため、副大統領側に有利に働くという見方も考えられます。訴追側にとっては、速さを取るか、疑惑を幅広く示すかの選択だったといえます。
今後の焦点
サラ氏は2028年の次期大統領選の有力候補とされており、裁判の結果はフィリピンの政局を大きく左右します。上院で3分の2の票が集まるのか、審理がいつまで続くのかに注目が集まります。現時点では判決の時期は分かっておらず、今後の審理を見守る必要があります。
※本記事はフィリピンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Inquirer.net




