
この記事のポイント
- 北アイルランドの民主統一党(DUP)元党首ドナルドソン氏に、子どもへの性犯罪で禁錮15年が言い渡された。
- 同氏は2024年3月に訴追されて党首を辞任しており、その直前には自治政府の再開を主導していた。
- 英下院議員を長く務めた重鎮の有罪判決は、北アイルランドの政界と社会に大きな衝撃を与えている。
元党首に禁錮15年の判決
英国・北アイルランドの政党、民主統一党(DUP)の元党首ジェフリー・ドナルドソン氏に、子どもへの性犯罪で禁錮15年の判決が言い渡されました。英BBCや英紙ガーディアン、アイルランド公共放送RTÉなどが一斉に報じています。各社の報道によると、罪状には少女に対する強姦(レイプ)や性的暴行が含まれています。
ドナルドソン氏は2024年3月に過去の性犯罪の疑いで訴追され、その直後に党首を辞任し、党員資格も停止されていました。今回の判決は、その刑事手続きが一つの区切りを迎えたことを意味します。
北アイルランド政界の重鎮だった人物
DUPは、北アイルランドが英国の一部であり続けることを支持する「ユニオニスト」と呼ばれる勢力の最大政党です。ドナルドソン氏は1997年から長年、ラガン・バレー選挙区選出の英下院議員を務め、ナイトの称号も持つ地域政界の重鎮でした。2021年に党首に就任しています。
北アイルランドでは、1998年の和平合意(ベルファスト合意)に基づき、ユニオニスト系とアイルランド統一を目指すナショナリスト系の政党が共同で自治政府を運営する「権力分有」の仕組みがとられています。DUPは英国のEU離脱(ブレグジット)後の北アイルランドの貿易ルールに反発し、約2年にわたって自治政府への参加を拒否していました。2024年2月に自治政府が再開した際、党を復帰に導いたのがドナルドソン氏でした。その功績が評価された直後の訴追だったため、地元に大きな衝撃が走りました。
政界と社会への影響
ドナルドソン氏の辞任後、DUPは新たな指導部のもとで立て直しを進めてきました。同氏は2024年7月の英総選挙には立候補せず、政界から事実上退いています。今回の判決により、党は改めて元党首の事件と向き合うことになりそうです。
また、権力のある立場の人物による子どもへの性犯罪が明らかになったことで、被害者支援のあり方や、過去の被害の申告を後押しする体制への関心が高まる可能性があります。ただし、判決が北アイルランドの政治情勢にどこまで影響するかは、現時点でははっきりしません。今後の各党や世論の反応が注目されます。
※本記事は英国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:The Guardian




