
この記事のポイント
- ロシア軍のキーウへの攻撃で地下鉄の設備が被害を受け、赤線の2駅が閉鎖されることになった。
- 赤線は1960年開業のいちばん古い路線で、ドニプロ川の東岸と都心を結ぶ通勤・通学の幹線である。
- 地下鉄は空襲のときの避難場所でもあり、被害は移動だけでなく市民の身の安全にも影響しうる。
首都キーウで地下鉄設備に被害
ウクライナの首都キーウがロシア軍の攻撃を受け、市内の地下鉄の設備に被害が出ました。現地メディアによると、被害を受けて「赤線」の2つの駅が閉鎖されることになりました。ウクライナの公共放送「ススピーリネ」などは、首都とその周辺の州で死者が出たことや、地下鉄が損傷したことを伝えています。
SNSでは、被害を受けたチェルニーヒウシカ駅の現在の様子を撮った動画が広がっています。この駅は、キーウを流れるドニプロ川の東岸(左岸)にある住宅地の駅です。閉鎖される2駅の名前や運転再開の見通しについて、詳しい公式情報は記事の時点で限られており、今後の発表を待つ必要があります。
「赤線」とはどんな路線か
キーウの地下鉄は、赤・青・緑の3路線があります。赤線(正式名はスヴャトシンスコ=ブロヴァルスカ線)は1960年に開業した、いちばん古い路線です。市の西側から中心部を通り、ドニプロ川を渡って東岸の住宅地までつながっており、通勤や通学に欠かせない東西の幹線です。
東岸に住む人にとって、赤線は都心へ向かう主な手段の一つです。一部の駅が使えなくなれば、バスへの振り替えや隣の駅までの移動などで、毎日の移動にかなりの影響が出ると考えられます。
地下鉄は「避難場所」でもある
キーウの地下鉄は、交通機関であるだけでなく、空襲警報が出たときに市民が逃げ込む避難場所としても使われてきました。2022年に全面侵攻が始まった直後には、多くの市民が駅のホームで夜を過ごしたことが世界中に伝えられました。特に深い場所にある駅は、ミサイルや無人機(ドローン)の攻撃から身を守る大切な場所になっています。
そのため、地下鉄の設備が被害を受けることは、移動手段が減るだけでなく、近くに住む人の避難の選択肢が減るおそれもあります。地上に近い浅い駅や地上部分の設備は、深い駅に比べて被害を受けやすいとみられます。
続く首都へのインフラ攻撃
ロシアはこれまでも、発電所や送電網などウクライナのエネルギー施設や交通インフラを繰り返し攻撃してきました。寒さが増すこの時期は、暖房や電力への影響を心配する声も強まっています。今回の地下鉄の被害がどこまで、どれくらいの期間続くかは、復旧作業の進み具合によります。市当局がどう対応し、いつ運転を再開できるかが注目されます。
※本記事はウクライナの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:NV




