
この記事のポイント
- スペイン最高裁が、ジュンケラス氏ら独立派の元幹部4人に恩赦法を適用し、刑事責任の消滅を宣言した。
- 最高裁は公金横領罪への恩赦適用を拒んでいたが、憲法裁判所の判断を受け入れる形で方針を転換した。
- 公職就任の制限が解かれる見通しで、ジュンケラス氏の選挙出馬など政界への影響が注目される。
スペインの最高裁判所は、カタルーニャ独立運動(現地では「プロセス」と呼ばれる)で有罪となった元州政府幹部4人について、恩赦法を適用して刑事責任が消滅したと宣言しました。対象は、カタルーニャ共和左派(ERC)党首のオリオル・ジュンケラス氏、ラウール・ロメバ氏、ジョルディ・トゥルル氏、ドロルス・バッサ氏です。スペインの司法行政機関である司法総評議会(CGPJ)が発表しました。
背景:2017年の独立住民投票と有罪判決
カタルーニャはバルセロナを州都とするスペイン北東部の自治州で、独自の言語と文化を持ち、独立を求める声が根強い地域です。2017年、当時の州政府はスペイン政府や裁判所が違憲とした独立の是非を問う住民投票を強行し、その後、州議会が一方的に独立を宣言しました。
最高裁は2019年、運動を主導した州政府幹部らに「扇動罪」や「公金横領罪」などで実刑判決を言い渡しました。4人は2021年にサンチェス政権の恩赦(特赦)で釈放されましたが、公職に就く資格を停止する処分は残っていました。
恩赦法をめぐる最高裁と憲法裁判所の対立
サンチェス首相率いる社会労働党(PSOE)政権は、首相続投に独立派政党の協力を必要としたこともあり、2024年に独立運動関係者を対象とする恩赦法を成立させました。これに対し最高裁は、公金横領罪の部分は恩赦の対象外だとして、全面的な適用を拒んできました。
一方、法律の合憲性を判断する憲法裁判所は恩赦法を基本的に合憲と判断し、元幹部らの訴えを受けて最高裁の解釈を退けました。今回の決定は、最高裁がこの憲法裁判所の判断を受け入れた形です。ただし現地メディアは、最高裁が決定の中で、コンデ=プンピド長官が率いる憲法裁判所に対する異論ともとれる見解を示したと伝えており、両者の溝は残っているとみられます。
今後の焦点
刑事責任が消滅したことで、4人の公職就任の制限も解かれると受け止められています。特にジュンケラス氏は今後の選挙に出馬できるようになる可能性があり、カタルーニャ政界への影響が注目されます。一方で、恩赦法には野党の国民党(PP)などが「法の下の平等に反する」と強く反発しており、この問題はスペイン国内で引き続き政治的な争点となりそうです。
※本記事はスペインの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Poder Judicial | CGPJ




