
この記事のポイント
- オーストラリアで国会議員が男の車に2度はねられ、片脚を失う重傷を負い、男は起訴された。
- その場にいた理容師が男を取り押さえ、オーストラリアの首相はこの理容師を「英雄」とたたえた。
- オランダのメディアは、政治家と市民の距離が近い社会で議員の安全をどう守るかという問題として報じている。
議員を2度はねた男を理容師が制圧
オーストラリアで国会議員が車にはねられる事件が起き、オランダでもAD、NOS(オランダ公共放送)、NRC、NU.nlといった主要メディアが相次いで報じています。オランダの報道によると、男は議員を車で2度はね、議員は片脚を失う重傷を負いました。近くにいた理容師がすぐに男に飛びかかって取り押さえ、オーストラリアの首相はこの理容師を「英雄」とたたえました。
男はその後、議員に車で突っ込んだ罪で起訴されたと伝えられています。動機や当時の詳しい状況、議員の所属政党などは、オランダの報道の見出しや要約からは確認できません。捜査がどこまで進んでいるかも、今後の現地からの続報を待つ必要があります。
「議員がふつうにスーパーで買い物をする国」
オランダの新聞NRCは、この事件を「オーストラリアでは政治家がふつうにスーパーで買い物をしている。議員が襲われた後も、それは続けられるのか」という切り口で取り上げました。オーストラリアは投票が義務の国で、議員が地元の商店街や集会で有権者と顔を合わせる文化が根づいていると言われます。政治家と市民の距離が近いことは民主主義の良さとされてきましたが、今回の事件で、その近さが危険にもつながりうることが改めて意識されています。
オランダ自身も、国内の政治家への脅しや嫌がらせが長く議論になってきた国です。政治家が警護なしで自転車に乗り、街なかを歩く姿は、オランダでも「開かれた政治」の象徴とされてきました。オランダのメディアがこの事件を詳しく伝える背景には、遠い国の話でありながら、自分たちの社会にも通じる問題だという意識があるとみられます(これは編集部の見方です)。
市民の勇気と、残る課題
とっさに体を張った理容師の行動は、オーストラリア国内で広く称賛されています。一方で、居合わせた市民の勇気に頼るのではなく、議員の安全をどう守るかという課題が残ります。警護を強めれば有権者との距離は遠くなります。開かれた政治と安全をどう両立させるかは、オーストラリアだけでなく、オランダや日本を含む多くの民主主義国に共通する問いと言えるでしょう。
※本記事はオランダの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:AD.nl




