
この記事のポイント
- スウェーデンで新政権の枠組みが決まらず、コラムニストが社民党に主な責任があると論じた。
- 中央党の党首は左右どちらのブロックにも組まない「中道政権」構想を掲げるが、参加を断る政党も多いと報じられている。
- スウェーデン議会は過半数に反対されなければ首相が決まるため、中道政党の動きが政権づくりの鍵になる。
「新政府ができないのは社民党のせい」
スウェーデンで、次の政権の枠組みがなかなか決まらない状態が続いています。こうした中、現地メディアのコラムニスト、カール・リュード(Karl Rydå)氏が「新しい政府ができないのは社会民主労働党(社民党)の責任だ」とする論評を出し、注目を集めています。
社民党は20世紀の大半で政権を担ってきたスウェーデン最大の政党です。中道左派をまとめる中心的な存在で、政権の行方を左右する立場にあります。
背景:ブロックの対立と中道政党
スウェーデン政治は長く、社民党を中心とする「左派・中道左派ブロック」と、穏健党(Moderaterna)を中心とする「右派・中道右派ブロック」の対立で動いてきました。近年は移民政策を厳しくするよう訴えるスウェーデン民主党が大きく伸び、どの政党と組むかが政権づくりの大きな争点になっています。
スウェーデン議会(リクスダーグ、定数349)では、首相候補は過半数の賛成がなくても、過半数に反対されなければ就任できる仕組みです。このため、ブロックの間にいる中道政党の動きが結果を左右しやすくなります。
中央党が示す「中道政権」構想
同じ時期の現地報道では、中央党(Centerpartiet)のエリサベト・タンド・リングクヴィスト党首が掲げる「中道政権(mittenregering)」構想が大きく取り上げられています。中央党は農村に地盤を持つ中道のリベラル政党で、左右の両ブロックに組まないまま、真ん中に政権の軸をつくろうとしているとみられます。
ただ、この構想には「すでに多くの政党が参加を断っている」とする厳しい見方もあり、中央党の狙いがわかりにくいと批判する論評も出ています。一方で、穏健党の戦略を分析する政治学者の見方も報じられており、各党の駆け引きが続いている様子がうかがえます。
論評が問うもの
リュード氏の主張は、社民党が中道政党や他の勢力と歩み寄らないことが、政権づくりが進まない大きな原因だという趣旨と読み取れます。これはあくまで一人の論者の見方で、社民党の側には別の言い分があるはずです。誰に責任があるかは、立場によって評価が分かれる点に注意が必要です。
少数与党の政権や、閣外から協力する政党に頼る政権が多いスウェーデンでは、政権の枠組みが決まるまで時間がかかることは珍しくありません。今後、社民党と中央党がどこまで歩み寄るか、穏健党を中心とする右派側がどう動くかが焦点になりそうです。
※本記事はスウェーデンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:UNT




