
この記事のポイント
- プーチン大統領が、ウラジオストク市長のシェスタコフ氏を極東・沿海地方の知事代行に任命した。
- 知事代行は次の知事選挙まで地域を運営する立場で、政権が推す次の知事候補と見られている。
- 大統領は人が「月に移り住むように」来る土地にするなと求め、人口流出への対策が課題となる。
ロシアのプーチン大統領は、極東の沿海地方(プリモーリエ)で、ウラジオストク市長を務めてきたコンスタンチン・シェスタコフ氏を知事代行に任命しました。経済紙ベドモスチや通信社インタファクスなど、ロシアの複数のメディアが伝えています。
日本海に面した極東の要衝
沿海地方は、ロシアの南東の端にある連邦構成主体(日本の都道府県にあたる地方の単位)です。中国や北朝鮮と国境を接し、日本海をはさんで日本と向き合っています。中心都市のウラジオストクは、ロシア太平洋艦隊の拠点であり、極東の物流と貿易の玄関口でもあります。日本からは「いちばん近いヨーロッパ」と呼ばれ、新型コロナ前は観光地としても人気がありました。
「知事代行」とはどんな立場か
ロシアでは、知事が任期の途中で辞めたり解任されたりすると、大統領が「知事代行(врио)」を任命します。代行は次の知事選挙まで地域を運営し、その後の選挙に立候補するのが一般的です。ロシアの地方選挙は毎年9月の「統一投票日」にまとめて行われることが多く、大統領から任命されたことは、選挙で有利な立場に立つことを意味すると受け止められています。今回の任命も、事実上、政権がシェスタコフ氏を次の知事候補として推したものと見られます。
なお、手元にある報道の要約からは、前の知事が退任した経緯や時期はわかりません。この点は続報を待つ必要があります。
「月に移り住むように」ではなく
地元メディアのURA.RUによると、プーチン大統領は新しい知事代行に、人々が「月に移り住むような」感覚で地域に来ることのないようにせよ、という趣旨の課題を示しました。発言全体はわかっていませんが、極東を、無理をして移り住む遠い土地ではなく、自然に暮らしたくなる場所にすべきだ、という意味だと考えられます。
極東では長年、人口の流出と高齢化が課題になっています。政府は住宅ローンの優遇や土地の無償提供など、移住を促す政策を続けてきましたが、生活の基盤や働く場所が足りないという声も根強くあります。市長として都市の運営を担ってきたシェスタコフ氏が、地方全体でどんな政策を打ち出すかが注目されます。
日本との関係も
沿海地方は、水産物や木材の取引、港を通じた物流などで、以前から日本とのつながりが深い地域です。ウクライナ侵攻のあと日ロ関係は冷え込んでいますが、隣の地域のトップが代わることは、日本にとっても無関係ではありません。新しい知事代行が、中国などアジアの国々とどう向き合っていくのかも、今後の焦点の一つになりそうです。
※本記事はロシアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Ведомости




