
この記事のポイント
- ウクライナで毎年恒例の「国民統一ラジオ書き取り」が2026年も行われ、国内外の多くの人が参加した。
- 「ウクライナ文字・言語の日」に合わせた行事で、この記念日は暦の切り替えで2023年から10月27日になった。
- 歌手のアスタフィエワさんの出演やSNSのミームが話題になり、戦時下で言葉を通じたつながりの場になっている。
国じゅうが同じ文章を書き取る日
ウクライナで、毎年恒例の「国民統一ラジオ書き取り(Радіодиктант національної єдності)」の2026年版が行われました。ラジオなどで読み上げられるウクライナ語の文章を、参加者がそれぞれの場所で書き取るという催しです。現地メディアはオンラインでの聴き方を案内し、国内外の参加会場の一覧も紹介しました。学校や職場、図書館のほか、海外のウクライナ人コミュニティーでも参加の場が設けられたと伝えられています。
「ウクライナ文字・言語の日」の恒例行事
この書き取りは、ウクライナの公共放送「ウクライナ・ラジオ」が2000年代初めに始めた行事で、「ウクライナ文字・言語の日」に合わせて行われます。この記念日は、かつては11月9日でしたが、ウクライナ正教会が2023年に新しい暦へ切り替えたことに伴い、10月27日に移りました。日本でいえば、国語の書き取りを国民的なイベントにしたものと考えると分かりやすいかもしれません。
参加は自由で、終わったあとに答案を主催者に送ることもできます。年齢や職業を問わず多くの人が加わり、毎年、正しく書けたかどうかが話題になります。
読み手の装いやSNSのミームも話題に
今年は、歌手でモデルのダーシャ・アスタフィエワさんの出演が注目を集めました。現地誌によると、アスタフィエワさんはウクライナのブランドのジャケットと特別なブローチを身につけ、「間違いが少ないといいですね」と参加者に語りかけたということです。
SNSでは、読点(コンマ)の位置に悩む人や、聖職者が参加する様子などを題材にしたミームが広がりました。読み上げられた文章の一節を引いて、笑ったり胸を打たれたりした人々の反応を紹介する記事も出ています。
戦時下で強まる「言葉」の意味
ウクライナでは、ロシアによる全面侵攻が始まった2022年以降、日常の言葉をロシア語からウクライナ語に切り替える人が増えたといわれます。言語は、国としてのまとまりや文化を示すものとして、以前より重く受け止められるようになりました。名前に「国民統一」と付いたこの書き取りも、単なる国語の試験ではなく、国内外のウクライナ人が同じ時間に同じ文章を書くことで、つながりを確かめる場になっているとみられます。ユーモアのあるミームが多く出回るのも、深刻な状況のなかで、多くの人が楽しめる行事として根づいていることの表れといえそうです。
※本記事はウクライナの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:ТСН




