
この記事のポイント
- ドイツで禁止されている代理出産で、CDU有力議員シュパーン氏が子を迎えたことが判明した
- 法の支配を重んじる与党政治家の行動として適切かが問われ、党内から辞任要求も出ている
- メルツ党首(首相)は本人と夫との協議を表明し、姉妹政党CSU内でも不満が広がっている
何が問題になっているのか
ドイツで、キリスト教民主同盟(CDU=メルツ首相が率いる中道右派の政党)の有力政治家イェンス・シュパーン氏が、夫との間に「代理出産」で子どもを迎えていたことが報じられ、大きな論争になっています。シュパーン氏は元保健相で、現在は連邦議会でCDU・CSU(キリスト教社会同盟=バイエルン州を地盤とするCDUの姉妹政党)の会派を束ねる立場にあります。
問題の核心は、ドイツでは代理出産(Leihmutterschaft)が法律で禁止されている点にあります。国内で認められていない方法で親になったことが、法の支配を重んじるべき与党政治家の行動として適切だったのか、と問われているのです。
党内から辞任要求、メルツ氏は協議を表明
報道によると、CDU内部からはシュパーン氏の責任を問う声や辞任を求める意見も上がっています。これを受けてメルツ党首(首相)は、シュパーン氏および夫とこの問題について話し合う場を設ける意向を示したとされます。CDUの幹部会(プレジディウム)も会合を開き、この件が議題に上る見通しと伝えられています。
また、姉妹政党であるCSU内でも不満がくすぶっていると報じられており、保守陣営全体を巻き込む形になりつつあります。シュパーン氏自身もメディアの単独インタビューに応じ、経緯を説明したとされています。
背景にある価値観の対立
ドイツで代理出産が禁じられている背景には、女性の身体の商品化や子どもの権利をめぐる懸念があります。CDU・CSUは伝統的に代理出産の合法化に慎重な立場をとってきました。そのため、党の要職にある人物が海外などでこの方法を選んだとみられることが、党の主張との整合性を問われる事態になっています。
もっとも、個人の家族形成の選択と政治的立場をどう切り分けるべきかについては、ドイツ国内でも意見が分かれています。どのような事実関係や協議結果が示されるかは現時点で確定しておらず、今後の展開が注目されます。
※本記事はドイツの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Deutschlandfunk




