
この記事のポイント
- 国民党元党首ジョイス氏が、極右ワン・ネーションの大量国外退去論を支持した。
- 移民が続けば社会に摩擦と分断が広がると警告し、流入抑制の必要性を訴えた。
- 「白豪主義政策の復活を求めるものではない」と釈明し、人種差別的意図を否定した。
ジョイス氏がハンソン氏の「大量国外退去」に同調
オーストラリアの保守系ベテラン政治家バーナビー・ジョイス氏が、極右政党「ワン・ネーション」を率いるポーリン・ハンソン氏の主張する「大量国外退去(マス・デポーテーション)」構想に支持を表明し、現地で議論を呼んでいます。ジョイス氏は、国民党(National Party)の元党首で連邦議会の有力議員。ハンソン氏は反移民・自国第一を掲げる少数政党の党首として知られ、その過激な発言はたびたび物議を醸してきました。
「白豪主義の復活ではない」と釈明
報道によると、ジョイス氏は移民の受け入れが続けば社会に「摩擦と分断(friction and division)」が広がりかねないと警告し、移民の流入抑制が必要だと訴えました。一方で、ワン・ネーションが「白豪主義政策(White Australia policy)の復活」を求めているとの見方については明確に否定しています。
白豪主義政策とは、20世紀初頭から1970年代にかけてオーストラリアが採用していた、非ヨーロッパ系移民を制限する事実上の人種差別的な移民政策です。現在は完全に撤廃され、多文化主義を国是とする現代オーストラリアにおいて、この言葉は極めて否定的な歴史的含意を持ちます。それだけに、移民抑制論が「白豪主義への回帰」と結び付けられることへの警戒感が、ジョイス氏の釈明の背景にあるとみられます。
移民をめぐる分断の構図
今回の発言は、オーストラリアで移民・人口政策が政治的な争点として再び熱を帯びていることを示しています。住宅価格の高騰や生活費の上昇を背景に、移民受け入れの規模を問題視する声が保守層を中心に強まっている状況です。ただし「大量国外退去」が具体的に誰を、どのような法的根拠で対象とするのかは、報道の範囲では明確ではありません。実現可能性や人権上の問題を含め、今後さらに批判と議論を招く可能性があります。
主要政党の一議員が少数極右政党の党首に同調する形となったことで、オーストラリアの主流保守派がどこまで強硬な移民論に接近するのか、その動向が注目されます。
※本記事はオーストラリアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:SMH.com.au




