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独AfD議員がメルツ首相を「野に放たれた極左」と罵倒 議場が紛糾

ドイツ連邦議会で、右派政党AfDの議員がメルツ首相を「鎖を解かれた極左」と激しく攻撃。首相も応戦し、保守とAfDの対立が改めて浮き彫りになった。

独AfD議員がメルツ首相を「野に放たれた極左」と罵倒 議場が紛糾
🔥🔥 ローカル度・高

この記事のポイント

  • ドイツ連邦議会でAfD議員がメルツ首相を「鎖を解かれた極左」と激しく攻撃した
  • 中道右派CDU党首の首相を「極左」と呼ぶのは、AfDの「既成政党=左傾化」という主張の表れ
  • 首相は受け流さず正面から応戦し、AfDとの距離感をめぐる難しい立場が浮かんだ
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ドイツの連邦議会(ブンデスターク)で、右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の議員がフリードリヒ・メルツ首相を「鎖(リード)を解かれた極左」と評し、激しい言葉で攻撃する場面があった。現地メディアが「怒りにまかせてまくし立てた」と伝えるほどの応酬で、首相の側も引かずに反論。議場は一時、通常の政策論争とは異なる緊張に包まれた。

「野に放たれた極左」という異例の罵倒

メルツ首相は、ドイツの二大政党の一角である中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)の党首を長く務めてきた人物で、党内では右寄り・市場重視の立場として知られてきた。その首相を「極左」と呼ぶのは、日本の感覚に置き換えれば保守政党の党首を「左翼」と罵るようなもので、通常の政治的レッテル貼りとしても飛躍が大きい。

ただしAfDから見れば、移民政策や気候変動対策、欧州連合(EU)との協調といった論点でCDUは「左に寄った既成政党」であり、自分たちこそが唯一の保守だ、という主張になる。今回の発言は、こうした「CDUは裏切り者だ」という同党の基本的な立ち位置を、極端な形で言語化したものと見ることができる。

メルツ首相はなぜ「けんか」を買ったのか

注目されたのは、首相が受け流さずに正面から応じた点だ。現地報道では、この日の首相の姿勢を「あえてAfDとの取っ組み合いを選んだ」「かつてのメルツが戻ってきた」といった表現で伝えている。メルツ氏はもともと弁の立つ論客として知られ、鋭い言葉で相手を切り返すスタイルで支持を集めてきた経歴がある。

背景には、ドイツ政治で長く共有されてきた「ブランドマウアー(防火壁)」と呼ばれる原則がある。これは、既成政党がAfDと連立や協力関係を結ばない、という不文律を指す。CDUはこの原則を掲げつつ、AfDに流れる有権者の票をどう取り戻すかという難題も抱えている。距離を取りすぎれば「有権者の不満を無視している」と言われ、近づけば「防火壁を壊した」と批判される。議場での直接対決は、その板挟みの中で首相が選んだ姿勢の表れとも読める。

言葉の応酬が示すもの

今回のやり取り自体で具体的な政策が動いたわけではない。しかし、首相と第一野党級の勢力を持つ政党との間で、政策の中身より先に人格や思想的レッテルをめぐる罵倒が飛び交ったという事実は、ドイツ議会の空気が以前より荒れていることを示している。

ドイツの連邦議会は伝統的に、討論の激しさと議事進行上の礼節を両立させてきた場とされる。ヤジや厳しい追及は珍しくないが、首相を名指しで極端なラベルで呼ぶような場面が繰り返されれば、議論そのものの質が損なわれかねない。今後、既成政党がAfDとどう向き合うのか——無視するのか、正面から論破を試みるのか——という戦略の選択は、ドイツ政治の当面の焦点であり続けそうだ。あくまで一般論だが、こうした対決型の応酬は、双方の支持層をそれぞれ固める効果を持ちやすいとも指摘される。

※本記事はドイツの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。

📰 情報ソース:welt.de

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