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スペイン、首相夫人の公判決定に政府が猛反発——「司法による迫害」と批判

サンチェス首相の妻ベゴニャ・ゴメス氏をめぐり公判開始が決まり、スペイン政府は「司法による迫害」と強く反発。政治と司法の対立が深まっている。

スペイン、首相夫人の公判決定に政府が猛反発——「司法による迫害」と批判
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この記事のポイント

  • スペイン首相の妻ベゴニャ・ゴメス氏に公判開始が決まり、政府が強く反発した。
  • 容疑は影響力取引と公金流用とされるが、有罪が確定したわけではない。
  • 政府の発言は陪審への牽制とも批判され、政治と司法の対立が鮮明になっている。
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首相の妻に公判開始、政府が異例の強い反発

スペインで、ペドロ・サンチェス首相の妻ベゴニャ・ゴメス氏に対する公判(正式な法廷審理)の開始が決まり、政府側がこれに強く反発している。スペインの主要メディアによれば、政府は捜査を担当してきたフアン・カルロス・ペイナード判事への批判の調子を一段と強め、ゴメス氏が受けているのは「司法による迫害(persecución judicial)」だと訴えた。

ベゴニャ・ゴメス氏は首相夫人であると同時に、大学関連の事業やプログラムに関わってきた人物として知られる。日本では首相の配偶者が公的な肩書を持つことは少ないが、欧州では配偶者が独自の職業活動を続ける例が一般的で、その活動と夫の地位との線引きが今回の争点の背景にある。

争点は「影響力取引」と公金の扱い

報じられている容疑は、影響力取引(tráfico de influencias)と公金流用(malversación)にあたるとされる。影響力取引とは、公的な地位や人脈を使って他者に便宜を図らせ、不当な利益を得る行為を指すスペイン刑法上の犯罪類型で、日本のあっせん利得処罰法に近い発想の規定だ。公金流用は、公的な資金や人的資源を私的な目的に使う行為を指す。

ただし現時点で問われているのは「審理を開くかどうか」であり、有罪が確定したわけではない。スペインでも推定無罪の原則は当然に働く。公判の具体的な日程については各紙が報じているものの、確定的な時期を断定できる段階ではなく、手続き上の異議申し立てなどで動く可能性もある点には注意が必要だ。

「陪審への牽制」との批判も

政府側の発言をめぐっては、別の論点も浮上している。スペインの一部の刑事事件では、一般市民から選ばれた陪審(jurado popular)が事実認定に関わる制度がある。政府関係者が、まだ陪審員が選ばれてもいない段階で「先入観」の存在に懸念を示し、「公平であるべきだ」と述べたと伝えられ、保守系紙はこれを「選任前から陪審の信用を傷つける行為だ」と批判している。

スペインでは近年、与党社会労働党(PSOE)周辺をめぐる複数の司法案件が政治の主要テーマとなってきた。政府側は「政治的動機に基づく捜査だ」と主張し、野党や保守系メディアは「権力が司法を攻撃している」と反論する構図が繰り返されている。今回の一件も、その対立軸の延長線上にあると見るのが自然だろう。

日本の読者が押さえておきたい視点

この問題の本質は、個別の有罪・無罪の見通しよりも、行政権と司法権の緊張関係にある。捜査や公判の是非を政府が公然と論評することは、三権分立の観点から批判を招きやすい一方、政治的な標的化が疑われる場面で当事者側が反論する余地も否定はできない。どちらの主張にも一定の支持層があり、スペイン国内でも評価は真っ二つに割れている。

サンチェス政権は少数与党として議会運営に苦労してきた経緯があり、首相の家族が被告人席に立つ展開は、政権の求心力に影響しうる。今後は公判の進行と、それに対する各党の出方が焦点になっていくとみられる。

※本記事はスペインの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。

📰 情報ソース:Cadena SER

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