
この記事のポイント
- ローマの重罪院が、レジェニ事件でエジプト治安機関員3人に拉致の罪で拘禁10年を言い渡した。
- 被告4人のうち1人は無罪となり、殺人の罪は認められなかった。両親は判決に「満足」と述べた。
- 被告は出廷しておらず、エジプトが身柄を引き渡す見込みは低い。上訴や両国関係への影響も注目される。
イタリアで長く注目されてきた「レジェニ事件」の裁判で、ローマの重罪院(コルテ・ダッシーゼ)が判決を言い渡しました。現地報道によると、被告のエジプト治安・情報機関員4人のうち3人が拉致(不法監禁)の罪で拘禁10年とされ、1人は無罪となりました。一方、最も重い殺人の罪は認められませんでした。
事件の概要
ジュリオ・レジェニ氏は、英ケンブリッジ大学の博士課程で学んでいたイタリア人の大学院生です。2016年1月、エジプトの首都カイロで現地の労働組合を調査していた最中に行方不明となり、約1週間後に遺体で見つかりました。遺体には激しい拷問の跡があり、イタリアではエジプトの治安機関が関わったのではないかとの疑いが強まりました。
事件はイタリアとエジプトの外交関係を大きく揺るがしました。イタリアの捜査当局はエジプト側の協力が得られないと繰り返し訴えてきました。被告の所在が確認できず起訴状を届けられないことから、手続きは長く止まっていました。その後、憲法裁判所の判断で被告が出廷しないまま裁判を進める道が開かれ、ローマで審理が行われてきました。
判決の意味
今回の判決は、被告たちがレジェニ氏の身柄を拘束したことへの関与を認めた一方、死亡させた責任までは認めなかったことになります。判決理由の詳細はまだ明らかではなく、殺人罪が退けられた理由は、今後公表される判決文を待つ必要があります。
それでも、レジェニ氏の両親は「満足している」と述べたと伝えられています。両親は約10年にわたり「ジュリオに真実を」と訴え続けてきました。イタリアでは、この事件は国家による人権侵害と司法の限界を象徴する出来事として、広く知られています。
今後の見通し
イタリアの刑事裁判は控訴審、さらに最高裁にあたる破毀院へと続くのが一般的で、検察・弁護側のいずれかが上訴する可能性があります。また、被告はエジプトにいるとみられ、エジプトが身柄を引き渡す見込みは低いと一般に考えられています。刑が実際に執行されるかは不透明です。
それでも、他国の治安機関員の責任をイタリアの法廷が認めたことには大きな意味がある、との受け止めもあります。エネルギーや移民問題で結びつきを強めてきた両国の関係にどう影響するかも注目されます。
※本記事はイタリアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:ANSA




