
この記事のポイント
- インドネシアの憲法裁判所が、ギブラン副大統領に高卒相当の資格があることを示す証拠を確認できなかったと示した。
- 選挙倫理機関DKPPは、申し立てがあれば総選挙委員会(KPU)による候補者資格の確認を審査できるとの立場を示した。
- 審査の対象は選挙を運営した側の倫理で、副大統領の地位に影響するかどうかは現時点ではわからない。
副大統領の「高卒資格」に疑問
インドネシアで、ギブラン・ラカブミン・ラカ副大統領の学歴をめぐる議論が再び注目されています。ギブラン氏はジョコ・ウィドド前大統領の長男で、2024年の大統領選挙でプラボウォ・スビアント氏と組んで当選し、副大統領に就きました。
インドネシアでは、正副大統領の候補者に「高校(SMA)またはそれと同等の学歴」が求められます。ギブラン氏は中等教育の多くを海外で受けているため、その学歴が国内の高卒資格と同等と認められるのかを疑う声が、以前から一部にありました。
憲法裁判所が「証明を確認できず」
今回の議論のきっかけは、憲法裁判所(MK)が関連する訴えを審理した際に、ギブラン氏が高卒またはそれと同等の資格を持つことを示す証拠を確認できなかったと示したことです。憲法裁判所は法律が憲法に合っているかを審査するほか、選挙結果をめぐる争いも扱う機関です。この判断がギブラン氏の副大統領としての地位にどう影響するのかや、判決の詳しい中身は、現地報道の要約からははっきりしません。
DKPP「申し立てがあればKPUを審査できる」
こうした中で現地メディアが報じたのが、選挙管理機関倫理評議会(DKPP)の立場です。DKPPは、選挙を運営する機関とその職員が倫理規定を守っているかを審査する独立機関で、規定違反と判断すれば、警告や解任などの処分を出す権限があります。
報道によると、DKPP側は、候補者登録の際に総選挙委員会(KPU)がギブラン氏の学歴書類を適切に確認したかどうかについて、正式な申し立てがあれば審査できるとの考えを示しました。KPUは日本の選挙管理委員会にあたる組織で、候補者の資格審査も担当します。つまり、問題にされるのはギブラン氏本人ではなく、選挙を運営した側の手続きや職業倫理です。DKPPは自分から調べ始めるのではなく、申し立てを受けて動く仕組みとみられます。
背景にある政治的な緊張
ギブラン氏の立候補をめぐっては、2023年に憲法裁判所が年齢要件の例外を認める判断を出し、当時の長官がジョコ氏の義弟だったことから「政治王朝」との批判が強まりました。その後、DKPPはKPUの委員長らが規定に反してギブラン氏の届け出を受け付けたとして、倫理違反を認定しています。今回の学歴問題も、この流れの中で受け止められているとみられます。
今後は、実際にDKPPへ申し立てが出されるか、また国会などの関係機関がどう対応するかが焦点になりそうです。ただし、DKPPの審査はあくまで選挙を運営する側の倫理を問うもので、副大統領の地位そのものに直接影響するかどうかは、現時点ではわかりません。
※本記事はインドネシアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:detikNews




