
この記事のポイント
- スウェーデンのクリステション首相が、トランプ氏とプーチン氏のディーゼル燃料合意に遺憾を表明した。
- ロシアがディーゼルを供給するとの合意に、ゼレンスキー大統領が強く反発していると現地メディアが報じた。
- 現地紙は中間選挙に向けた「票集め」と批判。NATOに入ったスウェーデンは対ロシア制裁の乱れを警戒している。
スウェーデン首相「遺憾に思う」
スウェーデンのウルフ・クリステション首相は、トランプ米大統領がロシアのプーチン大統領と結んだとされる、ディーゼル燃料をめぐる合意に「遺憾に思う」と述べました。西部の主要紙ヨーテボリ・ポステンが伝えています。クリステション氏は中道右派の穏健党を率いており、2022年から首相を務めています。
伝えられている合意の中身
現地の複数のメディアによると、トランプ氏はロシアがディーゼル燃料を供給するという趣旨の合意を明らかにしました。公共放送SVTは、この発表にウクライナのゼレンスキー大統領が激しく反発していると報じています。供給量や期間、決済の方法、ロシアへの制裁とどう関係するのかなど、詳しい条件は元の報道からは確認できません。
ロシアはウクライナへの全面侵攻以降、欧米から厳しいエネルギー制裁を受けています。そのため、アメリカがロシア産の燃料を受け入れる、あるいは取引を後押しする動きは、制裁の足並みを乱すものと受け止められやすい状況です。
スウェーデンの新聞は厳しく批判
大手紙ダーゲンス・ニーヘテルは、この合意を「必死の票集め」と表現しました。燃料価格の引き下げを有権者に示す狙いがあると見ているようです。アメリカは2026年11月に中間選挙を控えており、ガソリンや軽油の値段は有権者の関心が高いテーマです。ただし、合意と選挙の関係はあくまで現地紙の見方で、政権がそう説明しているわけではありません。
タブロイド紙のエクスプレッセンは「両方の側から怒りが出ている」と伝えています。ウクライナを支持する立場からの批判に加え、別の立場からも不満が出ていることを示しているとみられますが、具体的に誰が批判しているのかは要約からは分かりません。
背景――スウェーデンにとってのロシア問題
スウェーデンは長く軍事的な非同盟を続けてきましたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて方針を変え、2024年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟しました。バルト海をはさんでロシアと向き合う国として、ウクライナ支援と対ロシア制裁を強く支持してきました。
同盟国であるアメリカが、ロシアと独自にエネルギーの取引を進めることは、欧州の制裁が効かなくなることへの不安につながります。首相の「遺憾」という言葉には、アメリカとの関係を大切にしつつも、欧州の安全保障を損ないかねない動きにははっきり懸念を示したいという、慎重な姿勢がにじんでいると言えそうです。今後、EUや北欧諸国が足並みをそろえて対応するのかが注目されます。
※本記事はスウェーデンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Göteborgs-Posten




