
この記事のポイント
- ベルリン州でSPD・緑の党・左派党が進めていた「赤・緑・赤」連立の予備協議が中断した。
- SPDと緑の党は「左派党が約束を守らなかった」と主張しているが、約束の中身ははっきりしない。
- 左派党のエラルプ氏はメルツ首相の発言を「干渉」と批判しており、党内の強い突き上げも影響しているとみられる。
ドイツの首都ベルリンで、州政府づくりに向けた連立の予備協議が止まりました。協議していたのは社会民主党(SPD)、緑の党、左派党の3党です。協議を進めるなかで、左派党の有力政治家エリフ・エラルプ氏は、連邦政府のフリードリヒ・メルツ首相(キリスト教民主同盟=CDU)の発言に強く反発し、「干渉はやめてほしい」という趣旨の考えを示したと現地メディアが伝えています。
ベルリンの「赤・緑・赤」連立とは
ベルリンは、ドイツの16州の一つにあたる「都市州」です。州議会にあたる「代議院」の選挙結果をもとに、各党が連立を組んで州政府をつくります。SPD(党の色は赤)、緑の党(緑)、左派党(赤)の3党による連立は、党の色から「赤・緑・赤」と呼ばれます。ベルリンでは過去にもこの組み合わせの州政府があり、左派色の強い連立の代表例として知られています。
左派党は、旧東ドイツの政権党の流れをくむ政党などが合流してできた党です。家賃の高騰や格差の問題を訴えて、都市部の若い層を中心に支持を広げてきました。
協議が止まった理由
独紙ヴェルトなどによると、SPDと緑の党は「左派党は両党に約束したことを守らなかった」として、協議をいったん止めました。大衆紙ビルトも、SPDと緑の党が左派党との交渉を打ち切ったと報じています。どんな約束が守られなかったのか、具体的な中身は今回の報道の範囲でははっきりしません。
一方、メルツ首相はベルリンで左派党が州政府に入ることに批判的な立場とみられ、エラルプ氏はこれを連邦の首相による州の政治への口出しだと受け止めています。保守系のCDUを率いる首相と左派党は、もともと政策の考え方が大きく違います。
党内の突き上げも影響か
公共放送rbbは、怒った党員たちがベルリンの左派党を突き動かしている様子を伝えています。党の指導部が連立のために譲ろうとしても、譲りすぎだという党員の声が強く、自由に動けない状況がうかがえます。今回の行き違いの背景にも、こうした党内の事情があった可能性がありますが、はっきりしたことは分かっていません。
今後の見通し
報道は「中断」と伝えており、協議が完全に終わったのか、話し合いを再開する余地があるのかは、まだ分かりません。ほかの党の組み合わせで州政府をつくる道もありえますが、どの組み合わせなら過半数を確保できるかは、議席の配分しだいです。首都の政権づくりは、連邦の与党と野党の対立にも関わるため、ドイツ国内で大きな関心を集めています。
※本記事はドイツの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:WELT




