
この記事のポイント
- 台湾の台中市長・盧秀燕氏が、台北市長選で再選をめざす国民党・蔣萬安市長の選対本部トップに就いた。
- 蔣氏は台北ドームの開業やエヌビディア本社の誘致など、1期目の成果を訴えて陣営を固めた。
- 民進党は「市政をおろそかにしている」「2028年総統選への足がかりだ」と批判し、盧氏は否定した。
台中市長が台北の選対本部トップに
台湾で2026年の統一地方選挙に向けた動きが本格化している。首都・台北市では、再選をめざす最大野党・中国国民党(国民党)の蔣萬安(しょう・まんあん)市長が選挙対策本部を立ち上げた。その本部長にあたる「競選総部主任委員」に、同じ国民党で中部の大都市・台中市の市長を務める盧秀燕(ろ・しゅうえん)氏が就いた。台湾メディアによると、盧氏は休暇を取って台北に入り、「危機の中で重い役目を引き受けた」と心境を語ったという。
盧氏は国民党の中でも特に人気の高い政治家で、地元メディアは「藍営(国民党陣営)最強の母鶏」と呼ぶ。「母鶏」は台湾の選挙用語で、ほかの候補を引っぱって当選させる看板政治家を指す。一方の蔣萬安氏は、蔣介石元総統のひ孫にあたる若手のリーダーで、2022年に初当選した。
「台北チーム」の結集と市政のアピール
選対本部の発足にあわせ、蔣氏は自分を支える「台北チーム」を正式に集めた。報道によると、蔣氏はこの場で、長年の課題だった大型ドーム施設「台北大巨蛋(台北ドーム)」の開業や、米半導体大手エヌビディア(輝達)の台湾本社を台北に呼び込んだことなど、1期目の成果を改めて訴えた。
与党・民進党は「台中市民より選挙か」と批判
この人事には、与党・民主進歩党(民進党)から批判が出ている。民進党側は、盧氏が台中の市政を離れて台北に入ったことについて「蔣氏の選挙のほうが台中市民より大事なのか」と疑問を投げかけた。また、盧氏の役職は「2028年への乗り換え駅にするためだ」という声もある。盧氏は2028年総統選の国民党有力候補と見られており、台北の選挙で前に出ることで自身の存在感を高めたいのではないか、との見方だ。
これに対し盧氏は「2026年の選挙そのものに目を向けてほしい」と述べ、総統選と結びつける見方を退けた。
一方、民進党から台北市長選に出る立法委員(国会議員)の沈伯洋(しん・はくよう)氏は、蔡英文前総統と「すべての台北市民」に自分の選対本部の主任委員になってもらいたいと呼びかけた。看板政治家を立てる蔣氏陣営との違いを打ち出すねらいがあるとみられる。
地方選から総統選へ
台湾の統一地方選挙は、2年後の総統選の前哨戦と位置づけられることが多い。首都・台北の市長選は特に注目度が高く、各党の有力者がどう動くかが、その後の党内の力関係にも響く。盧氏の今回の役割が蔣氏の再選にどこまで役立ち、2028年に向けた盧氏自身の評価にどうつながるのか。選挙戦の行方とあわせて注目される。
※本記事は台湾の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:UDN




