
この記事のポイント
- トランプ政権がカナダ製品の一部にかけている50%関税を撤廃する見通しとなった。対象品目の詳しい範囲はまだ明らかではない。
- 米メーン州のコリンズ上院議員が方針を明らかにした。11月の中間選挙を前に、議員を後押しする狙いがあるとの報道もある。
- カナダにとって米国は最大の貿易相手国。今回の撤廃は一部に限られ、関税対立全体の解決につながるかは分からない。
カナダ製品の一部で関税撤廃へ
米国のトランプ政権が、カナダから輸入する一部の製品にかけている50%の関税を撤廃する見通しとなりました。カナダの公共放送CBCや全国紙グローブ・アンド・メール、英BBC、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などが相次いで伝えています。CBCは、関税の一部を「入れ替える(swap)」措置だと報じています。ただ、対象となる品目の範囲や実施の時期、ほかの関税がどう扱われるかといった細かい点は、現時点の報道では明らかになっていません。
きっかけは米メーン州の上院議員
グローブ・アンド・メールによると、この方針は米北東部メーン州選出のスーザン・コリンズ上院議員(共和党)が明らかにしました。メーン州はカナダのニューブランズウィック州やケベック州と接しており、国境をまたぐ物の行き来や経済のつながりが深い地域です。カナダとの貿易が滞ると、州内の企業や住民の暮らしに影響が出やすいとされています。
WSJは、今回の関税撤廃がコリンズ議員を後押しする狙いだと報じています。米国では2026年11月に中間選挙が予定されており、コリンズ議員も改選を迎えます。関税による物価上昇や取引先の減少は、国境沿いの州では有権者の関心が高いテーマです。選挙を前に、政権が地元の不満をやわらげようとしているとの見方が出ています。
背景:続く米加の関税対立
トランプ政権は2025年以降、カナダを含む各国に高い関税を相次いでかけてきました。50%という高い税率は、鉄鋼やアルミニウムなどの品目に適用されてきた経緯があります。カナダ側は報復関税や国産品の購入運動で対抗し、長年の同盟国だった両国の関係は大きく冷え込みました。カナダにとって米国は最大の貿易相手国で、輸出の多くを米国向けが占めます。このため、関税の行方はカナダ経済に直接響きます。
今後の見通し
今回の撤廃は「一部の製品」に限られるとみられ、米加の貿易摩擦そのものが解消に向かうかどうかは分かりません。カナダ国内では、対象品目に関わる業界にとっては朗報との受け止めがある一方、米国の選挙事情に左右される政策の不安定さを懸念する声も出そうです。カナダ政府がどう応じるか、そして中間選挙後も措置が続くのかが、今後の焦点になります(※ここは一般的な見通しです)。
※本記事はカナダの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:CBC




