
この記事のポイント
- インドのデリー高等裁判所は、政府によるメッセージングアプリ「テレグラム」の一時禁止措置を適法と判断しました。
- この禁止は全国医学部入学共通試験(NEET-UG)での不正行為防止を目的としていました。
- 裁判所は、インドIT法第69A条がプラットフォーム全体のブロックを認めているとの解釈を示しました。
インドの大学入試を巡るデジタル規制強化:テレグラムの一時禁止をデリー高裁が追認
インドのデリー高等裁判所は、中央政府がメッセージングアプリ「テレグラム」に対し、全国医学部入学共通試験(NEET-UG)直前に発令した一時禁止措置を適法であると追認する判決を下しました。
この決定は、インドにおけるデジタルプラットフォーム規制の議論に新たな一石を投じるものです。テレグラム側は政府の禁止措置が不当であると訴えましたが、裁判所はその主張を退けました。
不正防止策としてのアプリ禁止
インドでは毎年、膨大な数の学生が大学入試に挑みます。特に「全国医学部入学共通試験(NEET-UG)」は、医学部などへの入学資格を得るための非常に競争の激しい統一試験です。過去には問題用紙の漏洩や不正行為が問題となってきました。
インド政府は不正行為防止の一環として、試験直前にテレグラムの一時禁止に踏み切りました。テレグラムは匿名性や強力な暗号化機能から情報共有に広く利用されますが、不正な情報交換や試験問題漏洩にも悪用されるケースが指摘されていました。
IT法第69A条に基づく政府の広範な権限を追認
デリー高等裁判所は、判決においてインドの「情報技術法(IT法)」第69A条が、中央政府に特定のコンテンツだけでなく、プラットフォーム全体をブロックする広範な権限を与えているとの解釈を示しました。裁判所は、政府による禁止措置が「不釣り合いなものではない」と判断し、試験の公平性確保には妥当な手段であると見解を示しています。
この判決は、政府が国家安全保障や公共秩序を理由に、ソーシャルメディアプラットフォーム全体を遮断できるという前例を作る可能性を秘めています。デジタル権利擁護者からは表現の自由や情報アクセス権への影響を懸念する声も上がっていますが、政府側は国民の安全と秩序維持のために必要な措置だと主張しています。
インドにおけるデジタル規制の今後
インドは世界有数のインターネット利用者数を抱え、デジタル化が急速に進展しています。今回のデリー高等裁判所の判決は、インド政府がデジタル空間における統制力をさらに強める意図の表れとも解釈できます。今後、同様の事例が他のソーシャルメディアやメッセージングアプリにも適用される可能性があり、インドにおけるデジタルプラットフォーム運営企業は、政府の意向や法的枠組みへのより一層の注意が求められることになりそうです。
※本記事はインドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Live Law




