
この記事のポイント
- インドネシアのスンダ海峡で、アナク・クラカタウ火山を取材中の記者5人が連絡を絶った。
- 捜索救難庁バサルナスはサーマルドローン2機を投入し、捜索範囲を拡大している。
- 同火山は2018年に山体崩壊で津波を起こした場所で、周辺海域は取材リスクが高い。
火山取材に向かった記者5人が連絡を絶つ
インドネシアの首都ジャカルタの西に広がるスンダ海峡で、活火山「アナク・クラカタウ」の取材に向かった5人のジャーナリストが連絡を絶ち、大規模な捜索が続いている。現地報道によれば、5人は取材の途中まで写真を送るなど連絡を取り合っていたが、その後、消息がつかめなくなったという。出発から連絡途絶までの詳しい経緯は現地当局が確認を進めている段階で、原因は現時点で明らかになっていない。
サーマルドローン2機を投入、捜索範囲も拡大
捜索の中心を担うのは、インドネシアの国家捜索救難庁「バサルナス(Basarnas)」だ。日本でいえば海上保安庁の救難部門に近い役割を持ち、海難・山岳・災害時の人命捜索を全国で担当する政府機関である。現地報道によると、バサルナスは熱を感知するサーマル(赤外線)ドローン2機を準備し、上空からの捜索に使う方針を示した。夜間や視界の悪い条件でも人や船体の熱を捉えられるため、広い海域の捜索では有効とされる。
当初の想定海域で手がかりが得られなかったことから、捜索範囲はその後さらに拡大された。インドネシア国家警察(Polri)も加わり、複数の機関による合同態勢が組まれている。また、スンダ海峡に面するバンテン州のSAR事務所(Kansar Banten)は、火山に最も近い有人島の一つであるスベシ島に寄せられた情報の確認にあたったと伝えられている。海流に流された場合、周辺の島に漂着する可能性を踏まえた動きとみられる。
「クラカタウの子」という危険な取材地
アナク・クラカタウは、インドネシア語で「クラカタウの子」を意味する。1883年に世界史に残る大噴火を起こしたクラカタウ火山が崩壊した後、そのカルデラの中から海面上に姿を現し、成長を続けてきた若い火山だ。ジャワ島とスマトラ島を隔てるスンダ海峡に浮かび、噴煙や溶岩流が見られることから、報道関係者や写真家にとっては魅力的な被写体でもある。
一方で危険も大きい。2018年12月には、この火山の山体崩壊が引き金となった津波がスンダ海峡沿岸を襲い、400人を超える犠牲者を出した。火山周辺には状況に応じて立ち入り規制が敷かれることがあり、小型の船で近づく取材には相応のリスクが伴う。
一般論として、海峡部は潮流や風の変化が急で、天候が崩れれば小型船の航行は一気に難しくなる。加えて火山活動そのものが捜索の妨げになる場合もある。今回の5人がどのような状況に置かれているかは確認されておらず、原因を断定できる情報は現時点で出ていない。まずは無事の発見が待たれる状況だ。
※本記事はインドネシアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:detikNews




