
この記事のポイント
- タイ気象局が大雨警報の第5号を発表し、9月13日ごろまでの激しい雨に警戒を呼びかけた。
- 北部・東北部を中心に非常に激しい雨、防災当局は71県に鉄砲水や冠水への警戒を要請。
- タイは5〜10月が雨季で、8〜9月は年間で最も雨量が多く熱帯低気圧の影響も受けやすい。
タイの気象当局が、全国的な大雨に対する警報を相次いで発表しています。現地報道によると、タイ気象局(TMD、日本の気象庁にあたる政府機関)は大雨に関する警報の「第5号」を出し、9月13日ごろまで各地で激しい雨が降るとして、突発的な洪水(鉄砲水)や山からの濁流に警戒するよう呼びかけました。
いま何が起きているのか
報じられている内容を整理すると、警戒の中心は北部と東北部(イサーン地方)です。イサーンはタイ北東部の広大な農業地帯で、ラオスやカンボジアと国境を接し、メコン川流域に位置します。ここに加えて首都バンコク周辺でも降水確率が高い状態が続き、地域によっては「激しい雨」から「非常に激しい雨」に達するところがあるとされています。
さらに防災を所管する当局(防災減災局=DDPM、内務省の下で災害警報や避難調整を担う組織)は、9月8日から13日にかけての期間について、全国の広い範囲にあたる71県を対象に、鉄砲水・山からの出水・市街地の冠水への警戒を呼びかけたと伝えられています。タイの行政区分は77都県(バンコク都を含む)なので、実質的に国土のほぼ全域が対象という規模感になります。
なぜこの時期に大雨が続くのか
背景として押さえておきたいのが、タイの季節です。タイはおおむね5月ごろから10月ごろまでが雨季にあたり、南西モンスーンの影響で雨の多い日が続きます。中でも8月から9月は年間で最も雨量が多くなりやすい時期で、加えてこの季節はフィリピン東方から南シナ海を通ってインドシナ半島に向かう熱帯低気圧・台風の影響を受けることもあります。今回の一連の報道でも、熱帯低気圧の発生の可能性に注意が向けられていると伝えられています。ただし、特定の熱帯低気圧がいつどこに上陸するかといった点は現時点で確定的に語れる段階ではなく、あくまで「監視対象」として扱われている点には注意が必要です。
鉄砲水と「山からの水」の怖さ
タイ語の警報でよく使われる表現に、日本語でいう「鉄砲水」と、山地から一気に流れ下る出水を指す言葉があります。いずれも、雨が降っている場所そのものより下流側で急に水位が上がるのが特徴で、逃げ遅れにつながりやすい現象です。北部の山間部や、東北部の中小河川沿いの集落、そして排水能力を超えると冠水しやすい都市部の低地は、それぞれ違う形でリスクを抱えています。バンコクは国土の中でも標高が低く、もともと運河が張り巡らされた土地であることから、短時間の強い雨で道路が冠水しやすいことでも知られています。
日本からの旅行者・在留者はどう受け止めるか
タイは日本からの旅行者も多く、9月は雨季の後半にあたります。今回のような警報が出ている期間は、山あいのトレッキングや滝、川沿いのレジャーは天候次第で危険度が大きく変わります。一般論として、現地の気象局や防災当局の発表、宿泊先やツアー会社からの案内をこまめに確認し、無理のない行程に組み替えるのが安全です。
※本記事はタイの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:thairath.co.th




