
この記事のポイント
- タイ・アユタヤの古刹の元住職が、寺の資金を横領した疑いで警察に拘束されました。
- 僧房から金塊や現金が見つかり、被害額は1億バーツ超との推計も出ています。
- 親密関係にあったとされる女性への資金の流れが、今後の捜査の焦点になります。
古刹の元住職が横領容疑で拘束
タイで、アユタヤ県にある古刹ワット・プッタイサワン(アユタヤ王朝期の創建と伝えられる寺院)の元住職が、寺の資金を私的に流用した横領の疑いで、警察の中央捜査局・犯罪抑止部(通称「ゴンプラープ」)に身柄を拘束されました。この元住職は「ルアンポー・チョート」の通称で知られ、僧籍を失った後は現地報道で「ティット・チョート」「サミー・チョート」などと呼ばれています。タイ語の「ティット」は還俗した元僧侶、「サミー」は不祥事で僧籍を失った僧を指す侮蔑的な語で、呼び名の変化そのものが立場の激変を物語っています。
僧房から金塊と現金、車4台分を押収
捜索では、僧侶の居室である「クティ(僧房)」から金塊や多額の現金が見つかったと報じられています。押収品の運び出しには車両4台が使われ、現金の計数機が故障するほどの量だったとの現地報道もあります。被害額は1億バーツ(1バーツ=約4.5円換算でおよそ4億5000万円)を超えるとの見方が出ていますが、これはあくまで捜査段階の推計であり、最終的な金額は今後の会計調査で変動する可能性があります。
「シーカー・エー」と呼ばれる女性の存在
この件では、元住職と親密な関係にあったとされる女性の存在も焦点になっています。現地報道では「シーカー・エー」と呼ばれています。「シーカー」は僧侶側から見た在家の女性を指すタイ語で、日本語の固有名ではありません。警察はこの女性の自宅も捜索し、金製品などを押収したと伝えられています。寺の資金が個人や関係者へどう流れたのかが、捜査の中心になるとみられます。
背景にあるタイ仏教界の構造的な課題
タイは人口の9割前後が仏教徒とされ、寺院への寄進が生活に深く根づいています。一方で、僧侶が守るべき戒律では女性との性的関係は最も重い違反にあたり、事実と認定されれば自動的に僧籍を失います。また、寄進金の管理が住職個人の裁量に委ねられやすく、寺の会計と個人の財布の線引きが曖昧になりがちだという指摘は以前からありました。近年、タイでは僧侶をめぐる金銭・女性問題の報道が相次いでおり、寺院会計の透明化を求める声が強まっています。
今後の焦点
捜査は資産の流れの解明に移るとみられ、一般論としては横領に加えて資金洗浄関連法の適用が検討される展開もあり得ます。ただし現時点はあくまで容疑の段階であり、事実関係は司法の場で確定されます。
※本記事はタイの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Thairath.co.th




