🌐 日本語

世界の声 — 各国のローカルニュースを、日本語で

購読するメール通知に登録

フィリピン上院、カエターノ兄妹が出国 「戻ってきてほしい」と議員

フィリピンの有力政治一族カエターノ家の上院議員兄妹が相次いで出国し、汚職疑惑の調査を巡って波紋が広がっている。入国管理局は「出国を止める法的理由はない」と説明した。

フィリピン上院、カエターノ兄妹が出国 「戻ってきてほしい」と議員
🔥🔥 ローカル度・高

この記事のポイント

  • フィリピンの有力政治一族カエターノ家の上院議員兄妹が相次いで国外へ出国したと報じられた。
  • 入国管理局は出国禁止命令がない以上、二人の出国を止める法的理由はないと説明している。
  • 公共事業予算をめぐる疑惑追及のさなかで、帰国と議会への出席の有無が今後の焦点となる。
シェアX (Twitter)FacebookLINEはてブ

フィリピンで、上院議員を務めるカエターノ家の兄妹がそろって国外に出たことが明らかになり、政界とメディアで大きな話題になっています。きっかけは、下院議員のベニー・アバンテ氏が記者団から兄妹の出国を伝えられ、「彼らが戻ってきてくれることを願う」と述べたことでした。タガログ語の「Hopefully, babalik sila(願わくは、彼らが戻ってきますように)」という一言が、そのまま各紙の見出しになっています。

カエターノ家とはどんな一族か

カエターノ家は、フィリピンでも屈指の知名度を持つ政治一族です。アラン・ピーター・カエターノ氏は上院議員で、外務大臣や下院議長を歴任した経歴を持ちます。妹のピア・カエターノ氏も上院議員として長く活動しており、兄妹そろって国政の中枢にいる点が特徴です。フィリピンでは、親から子、兄弟姉妹へと議席が受け継がれる「政治王朝(political dynasty)」が根強く、カエターノ家はその代表例としてしばしば挙げられます。日本の世襲議員に近い構図ですが、フィリピンでは一族が同時に複数の議席や自治体首長ポストを占めることも珍しくなく、憲法が禁止を掲げながら実行法が整っていない状態が続いています。

報じられた出国と、その受け止め

現地報道によれば、アラン・ピーター氏はシンガポールへ向けて出国したとされ、入国管理局(BI=Bureau of Immigration)は兄妹の出国を確認したうえで、「二人の出国を止める理由はない」との見解を示しました。BIは日本の出入国在留管理庁にあたる政府機関で、裁判所の出国禁止命令(hold departure order)などが出ていない限り、国民の出国を差し止める権限は持ちません。つまり、今回の出国はあくまで法的には通常の手続きの範囲内ということになります。

それでも注目が集まるのは、フィリピンで公共事業の予算配分をめぐる疑惑の追及が続いており、その文脈のなかで有力議員の出国が「タイミングとして意味を持つのではないか」と受け止められているためです。ただし、現時点で兄妹に何らかの法的措置が取られていると確認できる材料はなく、出国と疑惑を直接結びつける見方は推測の域を出ません。

「上院の許可」は必要なのか

現地メディアは、上院議員が私的な旅行で出国する際に上院の承認が必要かどうかも解説しています。結論としては、公務としての出張でない限り、議員個人の旅行に議会の事前許可は求められないのが通例です。国会が会期中であれば出席義務との兼ね合いが問われますが、それは政治的・道義的な批判の対象になりうるという話で、法的な出国制限とは別の問題です。この点は、日本の国会議員の海外渡航が基本的に本人の判断に委ねられているのと似た構図といえます。

今後の焦点

今後は、兄妹がいつ帰国し、議会の審議や関連する調査の場に姿を見せるかが焦点になります。冒頭のアバンテ氏の発言も、批判というよりは「議論の場に戻ってほしい」という呼びかけの色合いが濃いものでした。フィリピンでは政治家の出入国が政局と結びつけて語られやすく、今回の一件も、疑惑追及がどこまで有力一族に及ぶのかを占う材料として見られています。

※本記事はフィリピンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。

📰 情報ソース:Manila Bulletin

シェアX (Twitter)FacebookLINEはてブ