🌐 日本語

世界の声 — 各国のローカルニュースを、日本語で

購読するメール通知に登録

9.11から25年、英国でも追悼 — 犠牲者の遺族と生存者が祈り

米同時多発テロから25年。英国でも生存者や遺族が追悼に臨んだ。英国人犠牲者は数十人規模とされ、ロンドンには記念庭園もある。英国側の視点から節目の日を解説する。

9.11から25年、英国でも追悼 — 犠牲者の遺族と生存者が祈り
🔥🔥 ローカル度・高

この記事のポイント

  • 米同時多発テロから25年の節目を迎え、英国でも生存者や遺族が追悼行事に臨んだ。
  • 英国人の犠牲者は数十人規模とされ、ロンドンには追悼庭園や鉄骨の記念碑がある。
  • 当時の対米連帯はアフガン・イラク派兵へと進み、その是非は英国で今も論争が続く。
シェアX (Twitter)FacebookLINEはてブ

25年目の9月11日、英国でも静かな追悼

2001年9月11日に米国で起きた同時多発テロから、2026年9月11日で25年の節目を迎えました。追悼の中心は当然ながらニューヨークやワシントンですが、英国でもこの日に合わせて生存者や遺族が集まり、犠牲者を悼む行事が営まれています。英BBCをはじめとする英国メディアは、現地時間の朝から追悼の様子をライブ形式で伝えました。

なぜ英国にとって「自国の悲劇」でもあるのか

日本ではあまり知られていませんが、9.11の犠牲者には米国人以外も多数含まれ、英国人の死者は数十人規模にのぼるとされています(ロンドンの追悼施設では67人の名前が刻まれていると伝えられます)。ニューヨークの金融街には英系金融機関の拠点が集中しており、世界貿易センタービルで働いていた英国出身のビジネスパーソンが巻き込まれました。英国にとって9.11は「遠い国の事件」ではなく、家族を失った当事者が国内に数多くいる出来事です。

ロンドン中心部のグローブナー・スクエア(かつて米国大使館が面していた広場。大使館は2018年にテムズ川南側のナイン・エルムズへ移転)には、英国人犠牲者を悼む「9月11日記念庭園」が設けられています。ロンドン東部のクイーン・エリザベス・オリンピック公園にも、崩落したビルの鉄骨を用いた記念碑が置かれており、節目の年にはこうした場所が追悼の舞台になります。

事件直後の英国の反応

テロ直後、英国は米国への連帯を強く打ち出しました。バッキンガム宮殿の衛兵交代式で米国国歌が演奏されたことや、故エリザベス女王が追悼式に寄せた「悲しみは、愛に対して私たちが支払う代償です(Grief is the price we pay for love)」という言葉は、今も語り継がれる象徴的な場面です。当時のブレア政権は米国の「対テロ戦争」に同調し、アフガニスタン、さらにイラクへの派兵へと進みました。この選択は英国内で長く論争の的となり、のちの検証(イラク戦争を調査した「チルコット報告」など)にもつながっています。

25年という時間の重み

25年が経ち、事件当時に生まれていない世代が成人しつつあります。英国では2005年のロンドン同時爆破事件も経験しており、テロ対策や監視・入国管理のあり方をめぐる議論は今も続いています。一方で遺族にとっては、節目の年が区切りになるとは限りません。追悼の場で語られるのは、政治的な総括よりも、亡くなった一人ひとりの人生であることが多いとみられます。

※本記事は英国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。

📰 情報ソース:BBC

シェアX (Twitter)FacebookLINEはてブ