
この記事のポイント
- ナイジェリア・オスン州立大学の副学長の任期延長をめぐり、州政府と教員組合が対立している。
- 大学教員組合ASUUは知事による任期延長を批判し、他州への悪しき前例になると警告している。
- 州政府は州の法令に基づく正当な措置で、連邦とASUUの合意も遵守していると反論している。
州立大学のトップ人事が政治問題に
ナイジェリア南西部のオスン州で、州立のオスン州立大学(UNIOSUN、University of Osun State)の副学長(Vice-Chancellor)の任期延長をめぐり、州政府と大学教員の労働組合が対立している。ナイジェリアの大学では、学長にあたる実務トップは「Vice-Chancellor(副総長・副学長)」と呼ばれ、日本の大学の学長に近い立場で大学運営を統括する。その人事が、州政府と教員組合の間で正面からぶつかる構図になっている。
批判の中心にいるのが、ASUU(Academic Staff Union of Universities=大学学術職員組合)だ。ASUUはナイジェリア全土の大学教員が加盟する全国組織で、待遇や大学の自治をめぐって連邦政府と繰り返し交渉し、時に数か月単位の全国ストライキに踏み切ってきた。ナイジェリアの高等教育において、政府と並ぶ「もう一方の当事者」と言える存在である。
ASUU「悪しき前例になる」
現地報道によると、ASUU側はオスン州のアデレケ知事がUNIOSUNの副学長の任期を延長したことを問題視し、これが他州の知事にとっての「悪しき前例」になると批判している。ナイジェリアでは州立大学の設置者は州政府であり、知事は学長人事に大きな影響力を持つ。ASUUはかねて、学長ポストの選考は定められた手続きと大学の自治に沿って行われるべきだと主張してきた立場で、今回もその延長線上にある反発とみられる。
一方、オスン州政府はこれを否定し、UNIOSUNは連邦政府とASUUの間で結ばれた合意を常に遵守していると反論。今回の措置も、州の法令に基づく大学統治の枠組みの中で行われた正当なものだという説明を示している。州政府側の論理は「法的な手続きは踏んでいる」、組合側の論理は「合意と慣行に反する」という、かみ合いにくい対立になっている。
ストライキ懸念と対話を求める声
こうした膠着を受けて、現地では市民団体などからASUUと政府の双方に対話を呼びかける声も出ている。背景には、ナイジェリアの大学で労使対立がストライキに発展し、学生の学期が丸ごと失われる事態が繰り返されてきた経験がある。一般論として、この種の人事紛争が長期化すれば、最終的にしわ寄せを受けるのは在学生だという懸念は共有されやすい。
日本ではほとんど報じられないローカルな話題だが、ナイジェリアの大学制度が抱える「連邦と州」「政治と大学自治」という二重のねじれを映す出来事でもある。人口2億人を超え、若年層が急増するナイジェリアにとって、高等教育の安定は経済の将来を左右するテーマだ。現時点で任期延長が撤回されるかどうか、また組合が実力行使に踏み切るかどうかは明らかになっておらず、続報を待つ必要がある。
※本記事はナイジェリアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:vanguardngr.com




