
この記事のポイント
- 逮捕直後に死亡した51歳男性を悼む沈黙の行進が、オランダ・ロッテルダムで行われた。
- 行進終了後に一部が騒乱化し、警察署や機動隊に物が投げつけられる事態となった。
- 男性は電動自転車の窃盗を疑われていたとされ、死因や経緯は調査結果を待つ段階だ。
追悼の行進が、終了後に騒乱へ
オランダ第2の都市ロッテルダムで、警察に逮捕された直後に死亡した51歳の男性、アルフレド・フルウ(Alfredo Goeloe)さんを悼む「沈黙の行進(stille tocht)」が行われました。オランダでは、事件や事故で亡くなった人を地域住民が無言で歩いて追悼する沈黙の行進が定着しており、本来は抗議というより哀悼の意思表示の場です。しかし現地報道によれば、今回は行進が終わったあとに一部が騒然とした空気になり、警察署や出動した機動隊に物が投げつけられる事態となりました。
「ME」とは何か
報道に出てくる「ME」は Mobiele Eenheid の略で、オランダ警察の機動隊にあたる部隊です。デモや大規模イベントでの秩序維持を担当し、日本でいう機動隊に近い存在です。追悼行進のような場に ME が投入されること自体が、現場の緊張の高さを物語ります。なお、参加者の多くは静かに歩いており、騒ぎに関与したのは一部とみられます。
男性はなぜ逮捕されたのか
現地報道によると、男性は「ファットバイク」の窃盗の疑いをかけられていたとされています。ファットバイクは極太タイヤを備えた電動アシスト自転車で、オランダでは近年、特に若年層の間で急速に普及した一方、速度超過や事故、盗難が社会問題として頻繁に取り上げられてきました。生活の足である自転車をめぐる盗難は、オランダでは日常的なトラブルでもあります。
さらに複数のメディアは、男性の交際相手が妊娠中で、当日は2人のベビーシャワー(出産を祝うパーティー)が予定されており、彼女がその会場で男性の到着を待っていた最中の出来事だったと伝えています。こうした事情が、地域住民の強い感情的な反発につながったとみられます。
背景と今後
オランダでは、逮捕・拘束中に人が死亡した場合、通常の所轄警察ではなく独立性の高い調査機関が経緯を検証する仕組みがとられており、今回も詳しい死因や逮捕時の状況は調査の結果を待つ必要があります。現時点で、警察の行為と死亡との因果関係が確定したと伝える報道は確認できません。
ただし一般論として、オランダの大都市では警察の職務執行のあり方をめぐる不信が一部の地域で根強く、個別の事案が地域全体の不満に火をつけやすい構図があります。追悼の場が騒乱に転じた今回の出来事は、その緊張を映したものと言えそうです。
※本記事はオランダの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:De Telegraaf




