
この記事のポイント
- ルーラ大統領が賭博事業を禁止する暫定措置令に署名し、業界に衝撃が走った。
- 既に免許料を支払った賭博企業は返金を求めたが、政府は返還しない方針を示した。
- サッカークラブやテレビ局にも契約解除や広告停止など影響が広がっている。
賭博「ベッチ」全面禁止で何が起きているか
ブラジルではオンラインを含むスポーツ賭博(現地では「ベッチ」と呼ばれる)が近年急速に拡大し、正式に免許を得た民間企業が政府に高額な参入料(出資金、ポルトガル語で「アウトルガ」)を支払って合法的に事業を展開してきた。ところがルーラ大統領は、この賭博事業を禁止する暫定措置令(メディーダ・プロヴィゾリア、通称MP)に署名した。MPはブラジル特有の制度で、大統領が議会審議に先立って即座に法的効力を持たせられる一方、後日議会の承認を得る必要がある。
企業側は返金を要求、政府は拒否
禁止令を受け、既に多額の出資金を納めて免許を取得していた賭博企業各社は、事業継続ができなくなったとして政府に返金を求めた。しかしルーラ政権は、この出資金を返還しない方針を明らかにしたと現地メディアは伝えている。政府側は、免許はあくまで事業を行う権利の対価であり、規制環境の変化に伴うリスクは事業者側が負うべきだとの立場とみられる。
波紋はサッカー界やテレビ業界にも
ブラジルでは賭博会社がサッカークラブの主要なスポンサーとなっており、多くのクラブがユニフォームや広告看板の契約を賭博企業と結んできた。禁止令により契約解除が相次ぎ、クラブ側は財政的な打撃を懸念しているという。またテレビ局も賭博関連のコマーシャル放送を停止しており、広告収入への影響が広がっている。サッカーファンや業界関係者からは抗議の声も上がっていると報じられている。
日本の読者への補足
ブラジルは南米最大級のスポーツ賭博市場とされ、サッカー人気と結びついて急成長してきた経緯がある。日本では公営競技以外の賭博は原則禁止されており、こうした規制緩和からの急な方針転換は馴染みが薄いかもしれないが、新興国における賭博産業を巡る規制の揺れ動きを示す事例といえる。
※本記事はブラジルの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Poder360




