
この記事のポイント
- トランプ政権がカナダに課した関税が、国境を接する米メイン州で強い不満を招いているとカナダの現地メディアが報じた。
- メイン州はカナダと買い物や観光、水産業、木材業などで深く結びついており、貿易摩擦の影響を受けやすい地域だ。
- 関税への反発が、改選を控える共和党のコリンズ上院議員の逆風になる可能性がある。ただし選挙への影響は見通せない。
カナダ側メディアが注目する「隣の州」の不満
カナダの公共放送CBCなどが、米国北東部のメイン州に広がる不満を報じています。トランプ米政権はカナダからの輸入品に関税を課しており、カナダは報復措置で応じてきました。この貿易摩擦で打撃を受けているのが、カナダと長い国境を接するメイン州です。報道によると、州内では関税政策への反発が強まっています。その矛先は、トランプ氏と同じ共和党に所属する地元の上院議員に向かいかねない情勢だといいます。
カナダと生活圏を共有するメイン州
メイン州は米国の最も北東にある州で、カナダのニューブランズウィック州やケベック州と接しています。国境をまたいだ買い物や観光、通勤は日常の一部です。木材や水産物、エネルギーなどでも両国は深く結びついています。たとえば名産のロブスター漁は、水揚げ後の加工や流通でカナダ側と関わっています。このため、関税で物の値段や取引条件が変わると、地域経済や家計への影響が出やすい構造です。
英紙ガーディアンも、「状況は悪くなる一方だ」と嘆く地元住民の声を伝えています。「親しい隣人」であるカナダとの関係がこじれることへの戸惑いと怒りが、州内に広がっている様子がうかがえます。
共和党上院議員にとっての難題
メイン州選出の共和党上院議員スーザン・コリンズ氏は、党の方針と距離を置くこともある穏健派として知られています。報道では、トランプ政権の関税政策が地元で不評なことが、コリンズ氏の選挙戦の重荷になり得ると指摘されています。米紙ロサンゼルス・タイムズも、カナダとの貿易戦争が各地の上院選に新たな課題を持ち込んでいると報じました。
米国の上院は各州2議席で、議員の任期は6年です。どちらの党が多数を握るかで、大統領の政策が議会を通るかどうかが大きく変わります。僅差の選挙区が1つ動くだけで、全体の勢力図が変わることもあります。
カナダにとっての意味
カナダでは、米国の関税に対して国を挙げて反発する世論が強まってきました。そうした中、国境の向こうの米国の有権者も関税に不満を抱いているという報道は、カナダの読者にとって関心の高い話題です。ただし、選挙結果は候補者の実績や他の争点にも左右されます。関税への不満がどこまで投票行動に表れるかは、現時点では見通せません。
※本記事はカナダの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:cbc.ca




