
この記事のポイント
- インドの財閥エッサール・グループが、米アイオワ州に約150億ドル規模の製鉄所を建設する計画だ。
- トランプ大統領は「米国史上最大の製鉄所」と発表し、商務長官は関税政策の成果だと強調した。
- エッサールはムンバイ拠点のルイア家の財閥で、旧エッサール・スチールは日本製鉄などが買収した。
トランプ大統領が「米国史上最大の製鉄所」を発表
インドの大手財閥エッサール・グループが、米国中西部のアイオワ州に大規模な製鉄所を建設する計画を進めています。トランプ米大統領がこの計画を自ら発表し、「米国史上最大の製鉄所になる」とアピールしました。インドの主要メディアも大きく報じており、インド企業による対米投資として注目を集めています。
報道によると、投資額は約150億ドル(約2兆円規模)とされています。一方、一部のインド紙は関連投資を含めて180億ドルと伝えており、数字には幅があります。生産能力や雇用規模、稼働時期といった詳細は、現時点の報道からは明らかになっていません。
米政権は「関税の成果」と強調
トランプ政権のハワード・ラトニック商務長官は、今回の投資について、政権が進める関税政策の成果だと述べたと報じられています。トランプ政権は輸入鉄鋼に高い関税を課し、国内での生産を促してきました。海外企業にとっては、米国市場に製品を輸出するより、米国内に工場を建てたほうが関税の影響を避けやすいという事情があります。今回の計画も、そうした流れの中で理解できます。
エッサール・グループとルイア家とは
エッサール・グループは、インド西部の商業都市ムンバイに拠点を置く財閥です。シャシ・ルイア氏とラヴィ・ルイア氏の兄弟が創業し、ルイア家が率いています。鉄鋼、エネルギー、港湾、インフラなど幅広い事業を手がけてきました。
日本の読者にとっては、かつての中核企業「エッサール・スチール」が知られています。同社は経営破綻を経て、2019年に欧州系の鉄鋼大手アルセロール・ミッタルと日本製鉄の合弁会社に買収され、現在は「AM/NSインディア」として操業しています。本業の製鉄会社を手放したエッサールが、改めて米国で大型の製鉄事業に乗り出す形になり、インド国内でも関心を集めています。
今後の焦点
米国では鉄鋼業の立て直しが政治的に重要なテーマで、大規模な工場の誘致は政権にとって分かりやすい成果になります。ただ、これほど大きな事業では、資金調達や許認可、原料の確保など越えるべき課題も多いとみられます。計画どおりに進むかどうかは、今後の具体的な発表を待つ必要があります。インドでは、自国の企業が米国の産業政策の中で存在感を示す例として受け止められています。
※本記事はインドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:ndtv.com




