
この記事のポイント
- カナダ・ケベック州で州議会選挙が行われ、直前の世論調査では独立派ケベック党の少数与党が予測されている。
- ケベック党は過去2度、独立の是非を問う州民投票を実施した。最後に州政権を担ったのは2012〜14年。
- 少数与党になれば他党の協力が欠かせず、公約の州民投票の実施も難しくなるとの見方がある。
独立派が10年以上ぶりに政権へ?
カナダ東部のケベック州で、州議会の総選挙が行われています。投票日前夜に地元紙モントリオール・ガゼットが伝えた世論調査では、フランス語圏ケベックの独立を掲げる「ケベック党(Parti Québécois、PQ)」が第1党になるとみられています。ただし、議席の過半数には届かない「少数与党」になる可能性が高いと予測されています。英紙ガーディアンも、独立派が10年以上ぶりにケベックで政権を握る局面だと報じており、カナダ国内だけでなく海外からも注目が集まっています。
ケベック州とケベック党とは
ケベック州はカナダで2番目に人口が多い州です。住民の多くはフランス語を話し、北米では珍しいフランス語圏の社会です。言語や文化を守りたいという意識が強く、「カナダから独立して主権国家になるべきだ」という主張が長く続いてきました。その中心にいるのがケベック党です。同党はこれまでに2度(1980年と1995年)、独立の是非を問う州民投票を実施しました。特に1995年は反対票がわずかに上回っただけの大接戦で、カナダの国家統合を大きく揺るがしました。
ケベック党が最後に州政権を担ったのは2012〜2014年です。その後は自由党、2018年からは中道右派の「ケベック未来連合(CAQ)」が政権を担ってきました。今回の選挙では、長期政権への不満などを背景に、ケベック党が支持を伸ばしたとされています。
「少数与党」が意味するもの
ケベック州議会は定数125で、単独過半数には63議席が必要です。カナダはイギリス型の議院内閣制なので、第1党が過半数に届かなくても少数与党として政権を担うことはできます。ただ、予算案や重要法案を通すには他の政党の協力が欠かせず、政権運営は不安定になりがちです。
ケベック党は、政権を取れば独立を問う州民投票を実施する方針を示してきました。しかし少数与党の場合、議会の多数派の後押しがないまま州民投票へ進むのは政治的に難しくなるとの見方があります。一般論として、少数政権は野党との駆け引きのなかで政策の優先順位を調整せざるを得なくなることが多いです。
今後の焦点
世論調査の予測が実際の結果とずれることは珍しくありません。小選挙区制のため、わずかな得票率の差で議席数が大きく変わることもあります。開票の結果、ケベック党がどれだけ議席を取るのか、そして独立をめぐる議論が再び本格化するのかは、カナダ連邦政府や他の州にとっても大きな関心事です。投票結果とその後の政権づくりが注目されます。
※本記事はカナダの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Montreal Gazette




