
この記事のポイント
- 南アのラモラ国際関係・協力相と米国のボゼル駐南ア大使の対立が激化し、言葉の応酬が続いている。
- ボゼル大使は「個人的に侮辱された」と反発し、正式な外交上の申し入れ(デマルシュ)も行ったと報じられた。
- 2025年以降、土地政策や関税、ICJ提訴などで米南ア関係は悪化しており、今後の具体的措置が焦点となる。
外相と米大使の「言葉の応酬」
南アフリカで、同国のロナルド・ラモラ国際関係・協力相(日本の外相にあたる)と、米国のブレント・ボゼル駐南アフリカ大使の対立が続いています。現地のテレビ局eNCAやニュースサイトNews24などが、双方の「言葉の応酬」として相次いで報じました。報道によると、ボゼル大使は南ア側の言動について「個人的に侮辱された」と述べ、強い不快感を示したとされます。News24は、米南ア間の外交関係が「新たな低水準」に落ち込んだと伝えています。
「デマルシュ」とは何か
公共放送SABCは、ボゼル大使による最新の「デマルシュ」が両国の緊張をさらに深めたとする専門家の見方を紹介しました。デマルシュとは、外交の場で相手国政府に正式に申し入れや抗議を行うことを指す外交用語です。大使が駐在国の政府に公式に異議を伝えるのは異例とまではいえませんが、関係がぎくしゃくしている時期には対立を表面化させる要因になりやすいとされます。どの発言や政策をめぐる申し入れだったのか、詳細は元の報道からは確認できていません。
国内でも割れる評価
南ア国内の見方は一様ではありません。経済紙ビジネス・デイには、ラモラ外相の対応がワシントンとの関係を悪化させているとする論評が掲載されました。一方で、南ア政府は自国の外交方針は主権に基づくものだとの立場を取ってきました。また、経済ニュースサイトBusinessTechは、米国が南アフリカに対して「新たな期限」を設けたと報じており、米側が何らかの対応を求めて圧力を強めている様子もうかがえます。
背景にある長引く米南ア摩擦
米国と南アフリカの関係は、2025年に第2次トランプ政権が発足して以降、悪化が続いてきました。南アの土地収用をめぐる法律や白人農家(アフリカーナー)の扱いへの米側の批判、援助の見直し、関税の引き上げ、さらに南アがイスラエルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴した問題など、対立の火種は多岐にわたります。2025年には南ア駐米大使が米国から事実上追放される事態もありました。
南アフリカにとって米国は主要な貿易相手国の一つであり、特に自動車や農産物の輸出への影響が懸念されています。今回の舌戦が一時的な感情的対立にとどまるのか、関税や援助をめぐる具体的な措置に発展するのか、今後の両政府の動きが注目されます。ただし、現時点で関係修復や制裁強化の具体的な見通しは示されておらず、先行きは不透明です。
※本記事は南アフリカの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:eNCA




