
この記事のポイント
- ブラジル高等選挙裁判所で、ルーラ支持のWhatsAppチャンネルの停止決定が同じ日の午後に覆された。
- 朝にヌネス・マルケス判事が出した停止決定を、事件を担当する判事が取り消し、チャンネルは公開されたまま。
- フラビオ・ボルソナロ陣営が異議を申し立て、選挙裁判所の判断が一貫していないとの批判も出ている。
朝の停止決定が午後に覆る
ブラジルの高等選挙裁判所(TSE)で、ルーラ大統領を支持するWhatsAppのチャンネル「Exército do Lula(ルーラ軍)」をめぐり、同じ日のうちに正反対の判断が出ました。朝にヌネス・マルケス判事がチャンネルを止める決定を出しましたが、午後には事件を担当する別の判事が、この決定を取り消しました。チャンネルは公開されたままとなっています。ブラジルの複数の大手メディアが報じました。
TSEは、ブラジルで選挙の運営と選挙に関する争いの裁判を受け持つ最高位の機関です。最高裁判所(STF)の判事も兼任でメンバーに加わっています。ヌネス・マルケス判事はボルソナロ前大統領に指名されて最高裁入りした人物で、TSEのメンバーも務めています。
問題になったチャンネルと各陣営の反応
「ルーラ軍」は、ルーラ大統領を支持するメッセージを流すWhatsAppのチャンネルです。ブラジルではWhatsAppが国民の多くに使われており、選挙のたびに、ここで出回る政治的な情報や偽情報が大きな問題になってきました。
報道によると、ボルソナロ前大統領の長男で上院議員のフラビオ・ボルソナロ氏の陣営は、チャンネルを元に戻した判事の判断に異議を申し立てました。どの法律にもとづいて停止が求められ、どんな理由で取り消されたのか、くわしい中身は今回の要約からはわかりません。
選挙裁判所の「一貫性」に疑問の声
大手ニュースサイトUOLのコラムニスト、ジョジアス・デ・ソウザ氏は、朝の決定を午後に取り消した選挙裁判所の対応を皮肉る論評を書きました。同じ機関の中で判断が半日で逆になったことで、選挙裁判所の判断がぶれていないか、という疑問が出ている形です。
ブラジルの選挙裁判所は、2022年の大統領選挙から、SNSでの偽情報の削除やアカウント停止などに強く関わってきました。ボルソナロ派はこれを「検閲」と批判し、ルーラ派は「民主主義を守るため」と支持しており、評価がはっきり分かれています。今回も、どの陣営のチャンネルが対象になるかによって、両陣営の受け止め方が大きく違うと考えられます。
今後の見通し
フラビオ陣営の異議申し立てがあるため、この件は今後、TSEの判事全員による審理などに進む可能性があります。ただし、いつ、どのような手続きになるかははっきりしていません。2026年の総選挙は10月に行われており、SNSを使った選挙運動のルールをめぐる争いは、これからも続くとみられます。
※本記事はブラジルの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Estadão




