
この記事のポイント
- 南アフリカのクバイ法相が、高裁長官の弾劾審議の途中で立場を変えたことが、記録から分かったと報じられた。
- ムベネンゲ高裁長官は、裁判所の女性職員からセクシャルハラスメントを訴えられ、審判所で審理されてきた。
- 裁判官を解任するには、司法委員会の判断と国民議会の3分の2の賛成が必要で、今後の判断が焦点になる。
法相の「心変わり」が記録で明らかに
南アフリカで、東ケープ州の高等裁判所長官セルビー・ムベネンゲ氏を弾劾するかどうかを話し合った審議の記録が明らかになりました。現地の大手ニュースサイト「News24」によると、記録からは、ママロコ・クバイ司法・憲法発展相が審議の途中で立場を変えたことが分かるといいます。報道は、この変化を「方針転換(about-turn)」と表現しています。
ムベネンゲ氏をめぐっては、同じ裁判所で働く女性職員がセクシャルハラスメントを訴え、裁判官の行為を調べる「司法行為審判所」で審理が行われてきました。南アフリカでは、高位の裁判官が部下へのハラスメントで公に審理されるのは異例で、国内で大きな注目を集めてきました。
弾劾を判断する「司法委員会」とは
南アフリカで裁判官を辞めさせる手続きは、憲法で決められています。まず「司法委員会(JSC)」が、裁判官に重大な非行などがあったかを判断します。JSCは裁判官の任命や懲戒について意見を出す機関で、裁判官、弁護士、国会議員、法務大臣などが委員になっています。JSCが「重大な非行あり」と判断すると、国民議会(下院)で3分の2以上が賛成した場合に、大統領が裁判官を解任します。
クバイ氏は法相として、このJSCの委員を務めています。今回の報道は、委員の発言を記録した資料をもとに、法相が議論の中で考えを変えていった過程を伝えています。ただ、どの時点で、どんな理由で考えを変えたのかなど細かい点は、元の報道の見出しと要約からは確かめられません。本記事では断定を控えます。
なぜ注目されるのか
法相は政府の一員です。そのため、裁判官の処分に法相がどう関わるかは、「司法の独立」と結びつく問題として注目されやすくなっています。審議の中で政府側の委員が立場を変えたとなれば、その理由や、議論がどう進んだのかに関心が集まるのは自然なことです。
また、職場でのハラスメントに司法がどう向き合うかという点でも、関心は高いとみられます。被害を訴えた側を守れるか、訴えられた側の手続き上の権利を守れるか。その両立が問われる事案だからです。一般論として、こうした記録が公になれば、JSCの判断がどこまで透明だったかをめぐる議論も強まる可能性があります。
今後は、JSCの最終的な判断と、それを受けた国民議会の対応が焦点になります。
※本記事は南アフリカの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:News24




