
この記事のポイント
- トランプ氏に近い駐ギリシャ米国大使ギルフォイル氏が、不正疑惑が報じられるなかで職を退くことになった。
- 米紙は、同氏が献金者に10万ドルを自分のカード口座へ送金するよう促していたと報じたが、詳しい事実関係はまだ分かっていない。
- 自ら辞めたのか更迭なのかは報道で伝え方が分かれ、政治任用の大使のあり方をめぐる議論に広がる可能性もある。
駐ギリシャ大使が辞任、背景に不正疑惑
米国で、ギリシャ駐在のキンバリー・ギルフォイル大使が職を退くことになりました。NBCニュースやニューヨーク・タイムズなど米国の主要メディアが一斉に伝えています。辞任の背景には、本人の不適切な行為をめぐる疑惑があると報じられています。
米公共放送PBSによると、この人事はホワイトハウスの新しい報道官の初めての記者会見で明らかにされました。一方、英BBCは「トランプ大統領が汚職疑惑を受けて大使を更迭した」と伝えています。本人が自ら辞めたのか、政権側が事実上解任したのかについては、報道によって伝え方に違いがあります。
ギルフォイル氏とはどんな人物か
ギルフォイル氏は、カリフォルニア州サンフランシスコで検察官を務めた経歴を持ちます。その後、米保守系テレビ局FOXニュースの司会者として知られるようになりました。トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏の元婚約者で、2020年の大統領選ではトランプ陣営の資金集めでも中心的な役割を担いました。トランプ氏に近い人物の一人です。
米国では、大使ポストの一部に職業外交官ではなく、大統領に近い支援者や献金者などが起用される慣行があります。ギルフォイル氏の駐ギリシャ大使への起用も、こうした「政治任用」の例として注目されていました。
「10万ドルを送金して」と求めたとの報道
米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、ギルフォイル氏がある献金者に対し、10万ドル(約1500万円)を自身のアメリカン・エキスプレスのカード口座に振り込むよう促していたと報じました。記事の見出しには、同氏が献金者に送ったとされる「Honey, please(ねえ、お願い)」という言葉が使われています。
ただし、送金の具体的な経緯や目的、法的な問題にあたるかどうかなど、詳しい事実関係は現時点ではっきりしていません。本人側の反論や説明がどこまでされているかも、今回の報道からは確認できず、今後の続報を待つ必要があります。
今後の焦点
ギリシャは北大西洋条約機構(NATO)の加盟国で、東地中海の安全保障やエネルギー輸送の面で米国にとって大切な同盟国です。大使の突然の交代が両国関係に大きく響くとは考えにくいものの、後任が決まるまでの間は大使館の次席が代わりを務めるのが一般的です。
米国内では、大統領に近い人物を要職に起用することへの批判が以前からあります。今回の件が、政治任用の大使のあり方をめぐる議論や、疑惑についての調査につながるかどうかが今後の焦点になりそうです。
※本記事は米国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:NBC News




