
この記事のポイント
- コルドバ州のジャリョラ知事が、ミレイ政権の巨大大統領令DNU70を無効にしようとする野党側の動きに加わった。
- 政権は、DNU70で撤廃した外国人による農地取得の制限を元に戻し、協力的な議員を引き留めようとしている。
- 下院の会合は定足数の129人に届かない見通しで、大統領令がすぐに無効になる可能性は低いとみられる。
巨大大統領令「DNU70」をめぐる下院の攻防
アルゼンチンで、ハビエル・ミレイ大統領が政権発足直後に出した大規模な大統領令「DNU70/2023」をめぐり、議会の攻防が激しくなっています。現地報道によると、中部コルドバ州のマルティン・ジャリョラ知事が、この大統領令の無効化を目指す野党側の動きに加わりました。ただし、反対派が開こうとしている下院の特別会合は、成立に必要な定足数を集められそうにないとみられています。
DNUとは何か
DNUは「必要緊急大統領令」のことです。アルゼンチンの大統領が、緊急時に法律と同じ効力を持つ命令を出せる仕組みです。議会を通さずにすぐ効力を持ちますが、上院と下院の両方が否決すれば無効になります。DNU70は2023年12月に出され、数百項目の規制緩和や法律の廃止をまとめて盛り込んだため「メガDNU」とも呼ばれます。経済の自由化を進めるミレイ政権の看板政策の一つですが、議会を通さない手法には当初から強い批判がありました。
州知事の動きと政権の譲歩
ジャリョラ知事はペロン党系の政治家ですが、キルチネル元大統領派とは距離を置く穏健派として知られます。法案によっては政権に協力してきた州知事が反対側に回ったことは、政権にとって痛手と受け止められています。知事の影響下にある下院議員の投票行動が、結果を左右する可能性があるためです。
これに対し政権は、DNU70で撤廃した「外国人による農地取得の制限」を元に戻す方針を示したと報じられています。この制限は、外国の個人や企業が持てる農村の土地の面積や割合に上限を設けたもので、撤廃には地方を中心に反発が根強くありました。政権は、反発の大きい部分で譲歩して協力的な議員を引き留め、反対派の会合を空振りに終わらせる狙いとみられます。
今後の焦点
アルゼンチンの下院は定数257で、会合を開くには過半数の129人の出席が必要です。現時点では反対派の人数は足りないとされ、すぐに大統領令が無効になる可能性は低いとみられます。一方で、土地取得の規制を戻すことは、政権が大統領令の一部で後退したことも意味します。議会で少数与党のミレイ政権が、州知事や中道の勢力とどう折り合いをつけるかが、今後の政権運営の大きな焦点になりそうです。
※本記事はアルゼンチンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:La Voz del Interior




