
この記事のポイント
- カナダ・アルバータ州で住民投票が行われ、スミス州首相は「カナダ残留」に投票したと明らかにした。
- スミス氏は残留を問う設問とは別に、同時に問われている9つの設問への賛成を州民に呼びかけている。
- 石油資源が豊富な同州では連邦政府への不満が根強く、結果は今後の連邦との関係に影響しうる。
州首相が「残留」に一票
カナダ西部のアルバータ州で、州の将来を左右しかねない住民投票が行われています。カナダの大手メディア「グローバル・ニュース」によると、同州のダニエル・スミス州首相は自ら投票し、「アルバータ州はカナダの州であり続けるべきか」という設問に「残留」の票を投じたと明らかにしました。そのうえでスミス氏は、今回の投票にあわせて問われている残り9つの設問について、有権者に賛成を呼びかけています。
現地の報道では、期日前投票の初日だけで17万人を超える州民が投票したと伝えられており、関心の高さがうかがえます。
アルバータ州とはどんな地域か
アルバータ州はカナダ西部、ロッキー山脈の東側に位置する州で、州都はエドモントン、最大都市はカルガリーです。世界有数の埋蔵量を持つオイルサンド(油分を含む砂)をはじめ、石油・天然ガス産業が経済の柱となっています。
この州では以前から、首都オタワの連邦政府に対する不満が根強くあります。環境規制やパイプライン建設をめぐる政策、豊かな州から財政力の弱い州へ財源を回す「平衡交付金」制度などについて、「アルバータの富が一方的に吸い上げられている」との声が繰り返し上がってきました。こうした不満が、一部で分離独立を求める運動につながっています。
スミス州首相の立ち位置
スミス氏は保守系の州与党・統一保守党(UCP)を率いる州首相で、連邦政府に対して州の権限拡大を強く求めてきた人物です。一方で、カナダからの離脱そのものには賛成しない立場を示しており、今回「残留」に投票したことはその姿勢と一致します。
ただ、スミス氏が他の9つの設問への支持を訴えている点は注目されます。現地メディアの論評では、「独立か残留か」の設問ばかりが注目を集める一方、他の設問こそ州の実務に大きく影響しうるのに議論が少ない、との指摘も出ています。これらの設問の詳しい内容は今回の元報道の要約からは確認できませんが、一般論としては、連邦政府に対する州の権限や自治の強化に関わるテーマが中心とみられます。
今後の焦点
注目点は、残留を問う設問でどの程度の差がつくか、そしてスミス氏が支持を呼びかける他の設問がどれだけ賛成を集めるかです。仮に州の権限拡大を求める結果が出れば、連邦政府との交渉材料として使われる可能性があります。住民投票の結果がそのまま法的な効力を持つかどうかは設問ごとに異なると考えられ、結果の受け止め方をめぐっても議論が続きそうです。
※本記事はカナダの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Global News




