
この記事のポイント
- メキシコ下院が所得税法の改正案を条文ごとの審議でも可決し、上院の委員会での審議に移った。
- 改正の柱は大企業の控除を制限することで、経済紙は企業に影響する主な変更点を3つ挙げている。
- 個人事業主向けの簡易な課税制度RESICOの収入上限の引き上げも盛り込まれたと報じられている。
下院が所得税法の改正案を可決
メキシコの連邦下院(代議院)は、所得税(ISR)法の改正案を条文ごとの審議(現地では「個別審議」と呼ばれる)でも可決しました。現地の主要紙は、大企業が使える控除に歯止めをかける内容だと伝えています。法案はすでに上院へ送られ、財政・公債委員会と第一立法調査委員会で審議される予定です。
メキシコ議会では、法案の全体の方向性を問う「一般審議」と、条文ごとに修正を議論する「個別審議」の2段階で採決するのが通例です。今回、下院では2段階とも採決が終わったことになります。
改正の柱は大企業の控除の見直し
報道によると、改正の柱は大企業が課税所得を計算する際に差し引ける費用(控除)の範囲や条件を厳しくする点です。経済紙エル・フィナンシエロは、企業に影響する主な変更点として3つを挙げています。保守系のレフォルマ紙は「下院が企業家を締めつける」と報じました。どの控除がどこまで制限されるかなどの細部は、現時点で伝わっている情報だけでは断定できないため、今後の正式な条文の公表を待つ必要があります。
一方、個人事業主などが使える簡易な課税制度「RESICO(簡素化信頼制度)」については、適用を受けられる収入の上限を引き上げる内容も盛り込まれたと伝えられています。RESICOは2022年に導入された制度で、一定の収入以下の納税者が低い税率と簡単な手続きで納税できるようにするものです。
背景:税収の確保と財政の立て直し
メキシコでは毎年秋に、翌年の予算と税制をまとめた「経済パッケージ」を議会が審議します。シェインバウム政権は社会保障やインフラへの支出を続けながら財政赤字を縮める方針を掲げており、増税ではなく「徴税の強化」や「抜け道をふさぐこと」で税収を増やす路線をとっていると見られます。今回の大企業の控除の見直しも、その流れの中にある措置と考えられます。
一方で、経済界からは企業の負担が増え、投資意欲がそがれることを心配する声も出ています。与党は上下両院で多数を占めているため、上院でも大筋では可決される可能性が高いとの見方が一般的です。ただ、上院の審議でどの程度の修正が入るかが今後の焦点になります。
※本記事はメキシコの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:La Jornada




