
この記事のポイント
- NZ総選挙の選挙戦で、労働党のジャクソン議員が緑の党とマオリ党の議員によるギャング集団との面会を批判した。
- 現政権はギャングの記章を禁止するなど取り締まりを強めているが、緑の党などは対話と支援を重視してきた。
- 連立が前提の選挙制度のもと、協力相手を批判したことで、政権奪還を目指す左派の足並みの乱れが表に出た。
「私たちは選挙に勝ちたい」労働党議員が苦言
総選挙の選挙戦が続くニュージーランドで、野党・労働党のウィリー・ジャクソン議員が、同じ左派陣営の緑の党とテ・パティ・マオリ(マオリ党)を批判しました。両党の議員が国内最大級のギャング集団「モングレル・モブ」の関係者と面会したと報じられたことについて、ジャクソン氏は「私たちは選挙に勝ちたいのだ」と述べ、選挙に悪い影響が出かねないとの考えを示したと現地メディアが伝えています。
ジャクソン氏はマオリ出身の労働党議員で、ラジオ司会者などを経て政界入りし、前の労働党政権では閣僚を務めた人物です。
ニュージーランドのギャング問題とは
ニュージーランドでは、モングレル・モブやブラック・パワーなど、多くのメンバーを抱えるギャング集団の存在が長く社会問題となってきました。メンバーにはマオリなど先住民系の若者が多く、貧困や差別といった社会の課題と切り離せないと指摘されています。
ラクソン首相率いる国民党中心の現政権は、ギャング対策の強化を看板政策の一つとし、公共の場でギャングの記章(パッチ)を身につけることを禁止する法律も成立させました。一方、緑の党やテ・パティ・マオリは、取り締まりだけでは問題は解決しないとして、地域社会との対話や支援を重視する立場をとってきました。今回の面会も、こうした考え方の延長にあるとみられます。
左派の連携に影
ニュージーランドは比例代表の要素が強い選挙制度(MMP)を採用しており、一つの党が単独で過半数を取るのは難しく、連立政権が普通です。労働党が政権を取り戻すには、緑の党やテ・パティ・マオリとの協力が欠かせないとみられています。
ただ、治安への不安は有権者の関心が高いテーマです。与党側が「左派政権になればギャングに甘くなる」と訴える材料になりかねないことから、ジャクソン氏は中間層の支持離れを心配したと考えられます。協力相手になる党を公の場で批判したことで、左派の足並みの乱れも表に出た形です。
選挙戦の終盤に向けて、ギャング対策や治安をめぐる議論が勝敗にどこまで影響するのか、また労働党がほかの左派政党との距離をどう取るのかが注目されます。
※本記事はニュージーランドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:RNZ




