
この記事のポイント
- ニュージーランド政府が選挙法を改正し、投票日当日の有権者登録を廃止して締め切りを前倒しした。
- 労働党のヒプキンス党首は、投票できない人が出て有権者が強く怒る事態になりかねないと懸念している。
- 野党は若者やマオリへの影響が大きく投票の妨げになると批判し、自己責任を求める意見もある。
投票開始を前に高まる懸念
ニュージーランドで総選挙の投票開始が近づくなか、政府が実施した有権者登録制度の変更が議論になっています。最大野党・労働党のクリス・ヒプキンス党首(前首相)は、新しいルールを知らずに投票所へ行き、投票できない人が出れば「非常に怒る」有権者が生まれかねないと懸念を示しました。
何が変わったのか
ニュージーランドではこれまで、投票日当日でも投票所で有権者登録を済ませ、そのまま投票できる仕組みがありました。日本では住民票をもとに選挙人名簿が自動的に作られますが、ニュージーランドでは有権者が自分で選挙管理当局に登録する方式です。そのため、引っ越したばかりの人や初めて投票する若者にとって、当日登録は大事な受け皿でした。
しかし、国民党を中心とする現在の連立政権は選挙法を改正し、当日登録を廃止しました。登録の締め切りは投票日より前に早められています。政府は、開票作業を早めることや選挙事務の負担を減らすことを理由に挙げてきました。
野党は「投票の妨げ」と批判
労働党などの野党は、この変更が実際には投票の妨げ(ボーター・サプレッション)につながると批判しています。報道によると、当日登録を利用してきたのは若者や転居の多い人、先住民マオリの有権者などが多いとされ、こうした層が特に影響を受けるとの指摘があります。
現地メディアの中には、投票開始まで2週間という時点で状況を「迫りくる災難」と表現するところもありました。新しいルールが十分に周知されないまま、投票所で混乱が起きることを心配する声が出ています。一方、トーク番組の司会者からは「投票したいなら、有権者自身が責任を持って早めに登録すべきだ」という意見も出ており、見方は分かれています。
今後の焦点
市民団体などは若い世代への登録の呼びかけを強めています。締め切りまでにどれだけの人が登録を済ませるか、そして当日に投票できない人がどのくらい出るかが、制度変更の評価を左右しそうです。選挙後には、この変更が投票率や選挙の公正さにどう影響したかをめぐって、議論がさらに続くとみられます。
※本記事はニュージーランドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:1News




